【イオン系】松阪マーム貯水槽遺体事件【ビルメン事件簿】
皆さんは松阪マーム貯水槽遺体事件を知っていますか?
10年以上前の事件ですが、ビルメンが毎月点検している貯水槽が関係する事件ですので、知らない人のために紹介したいと思います!
貯水槽の事件?何があったんですかね・・。
もしかしてお前もこの事件に関係してるとか!?
直接ビルメンが何かしたわけじゃないんですが、ビルメンにも大きく関係する事件です!
ちなみに、この事件が発生したとき私は・・・・ニート真っ盛りでした。
水道局から運ばれてくる水を一旦貯めておくタンクのことを貯水槽(受水槽)と呼びます。
水を大量に使用する大きな施設などには、敷地内に貯水槽が設置されており、専用のポンプを使い建物内に水を供給しています。
松阪マーム貯水槽遺体事件とは
Wikipediaに掲載されている情報を引用しつつ、松阪マーム貯水槽遺体事件の説明をします。
事件が起きた施設
店名 |
松阪ショッピングセンター「マーム」 |
所在地 |
三重県松阪市船江町1392-27 |
商業施設面積 |
25,777 m² |
建物構造 |
鉄骨・鉄筋コンクリート造 地上3階建 塔屋付き |
開業日 |
1992年10月27日 |
マームはイオン系列のショッピングセンターです。
マーム (MARM) とは「MAtsusaka(松阪)+Re (くりかえし) +Message (メッセージ)」の略で、「松阪に絶え間なく情報のメッセージを発信し続けるSC」を意味するそうです。
なお、松坂マームは建物の老朽化による建て替えのため、2022年1月31日でいったん営業を終え一時休業となっています。
現在は隣接地で建て替えを行っており、2025年春に「イオンタウン松阪船江」として全面開業する予定です。
築年数30年経過すると設備の不具合も多くなるので、建物を管理するビルメンからすれば建て替えは有難いです。
事件の概要
2008年11月27日の夕方、ショッピングセンター裏側に設置しているFRP製貯水槽の内部から死後1ヶ月程度経過していると見られる男性の遺体が発見されました。
この男性は11月1日から行方不明だっため、自殺とみられています。
なお、ショッピングセンター側が11月8日に点検を行った際には異常は発見されなかったとのことです。
発見直後にショッピングセンター側は警察と保健所に報告し、11月28日および12月3日に夕刊三重が初めて報道。
その後に上水道の使用を一時停止、水道水使用商品を撤去し、水道水使用テナントの営業を中止。
11月28日よりジャスコについては食品作業場・給水機・製氷機の洗浄・消毒を実施し、ペットボトル飲料水を使用し営業した。
また、貯水槽を清掃・消毒した上で、トイレのみ水道水を使用した。
専門店についても設備・備品・器具の洗浄・消毒を実施、12月3日より公式ホームページにおいて事件の経過と水質に関する報告を行い、全館で営業を再開。
非難を受け、ショッピングセンター側は対策として貯水槽を撤去し新貯水槽を設置することを決定し、12月8日より工事に着手、12月26日より新貯水槽での給水を開始、また2009年1月5日より高架水槽および館内の給水管・水道設備も一新する工事を進め、1月29日より新しい給水設備を使って給水を開始した。
工事にかかった費用は約1億円、新旧の設備を切り替えるため1月28日に9年ぶりに休業した。
引用元:松阪ショッピングセンターマーム(Wikipedia)
貯水槽から給水管まで全て更新をしたようで、かなり大規模な工事だったと思われます・・。
この10年後に建て替えになっているので、更新した設備が勿体無く感じでしまいますね。
なぜ貯水槽に落ちることが出来た?
ビルメンで働いている人ならわかると思いますが、貯水槽には蓋がついており、その蓋は南京錠でロックされているため部外者が容易に内部に入ることは出来ません。
では、男性は何故水死体として発見されたのか。
それは以下の図のように、建物の屋上まで侵入することが出来たためです。
屋上から飛び降りることで、貯水槽のFRPパネルを突き破り水槽内部に入ったとみられています。
水質に問題は無かったのか
松阪マームは事故発生後に、保健所にて貯水槽内の水の検査をしたそうです。
検査の結果ですが、水道法および食品衛生法の水質基準に適合しており問題は無かったようです。
死後1か月でしたが、気温が低いこともあり水質の悪化が緩やかだったのではないかとの見解です。
ビルメン目線で思う事
この事件について、ビルメンである私が思うことを書きます。
あくまで私が勝手に思っているだけです・・・。
屋上に侵入されるのがおかしい
本事件ですが、そもそも部外者が屋上に侵入して来れる時点でおかしいとは思います。
通常は悪戯や自殺者防止のため、屋上に通ずる扉の鍵は施錠されているからです。
ただし、屋上で業者が何かしらの工事をしていて、扉が未施錠であったりする場合もあるため条件が揃っていれば侵入される可能性もゼロとは言えませんが・・。
もっと早く気づけたかも
一般的なビルメン現場であれば、貯水槽の点検は1か月に1回実施しています。
これは巡回ビルメンであっても同様です。
点検時は水槽の外周(6面全部)の状態から、蓋を開けて内部を覗き込み水の状態なども確認します。
今回のケースは男性が行方不明になったとされる11月1日の時点で自殺していたかどうかまではわかりませんので、作業員が点検した11月8日時点では水槽内に死体が無かった可能性もあります。
しかし、日常の巡回の際に毎日屋上も点検するはずです。(設備員、警備員ともに)
その際にフェンスから下を覗いて敷地全体の確認をする人がいれば、貯水槽の天板に穴が空いていることに気づけたのではないかなと思ってしまいます。
商業施設ビルメンは忙しいので、そこまでするのは難しいかもしれませんが・・。
松阪マーム貯水槽遺体事件から得られる教訓
この事件は幸い(?)にも、自殺者は死後1ヶ月程度でした。
これが2か月、3か月後に発見だったらどうなっていたでしょうか。
通常は毎月点検しているはずなのでありえないことですが、横着をしているビルメンだと点検票にマルだけ付けて実際に点検をしないなんてことも考えられます。
ビルメンの仕事は毎日毎月同じことの繰り返しなので、慣れてくると点検を適当に済ませてしまいがちですが、こういった事故はいつ遭遇するかわかりません。
簡単な業務だからこそ、いつまでも初心を忘れずに業務にあたってほしいものです。
もし点検をサボって2,3か月後に男性が発見されていたら・・・。
想像するのも怖いです。
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