商業施設ビルメンはスキルが身に付く?私が商業施設で経験した営繕や雑務を紹介します!
商業施設ビルメンは営繕が多いって聞いたけど具体的にどんな事してるんですか?
たしかに商業施設ビルメンは営繕が多いです。
忙しい日は休む暇も無いくらい動きっぱなしなんて日も・・・。
商業施設はビルメン地雷現場の一つと言われています。
その理由の一つに営繕作業が多いことが挙げられます。
商業施設ビルメンは日常点検や月例点検をこなしつつ、イレギュラーで発生する営繕をこなさなくてはいけないため、どうしても業務量が多くなってしまうのです。
この記事では、私が商業施設ビルメン時代に経験した営繕作業の紹介をします!
★以下の記事では商業施設ビルメンの一日のスケジュールなどを紹介していますので合わせて読んでみてください!
商業施設ビルメンが対応する営繕や雑務
それでは私が商業施設ビルメン時代に遭遇した営繕や雑務などを紹介します!
なお、商業施設でも配属先によって営繕の内容も様々です。
ここでは紹介しきれていない業務も多々ありますのでご了承ください。
ブレーカートリップ
ブレーカートリップとは分電盤のブレーカーがオフになることです。
原因としては、1回路で電気を使いすぎて過電流でオフになる場合と、漏電が原因でオフになるケースがあります。
1回路ってなに・・?
下記写真の「子ブレーカー」と書かれている部分を例にしますと、子ブレーカーから先にはコンセントや照明など複数の機器が使えるように並列に電線が配線されおり、それら全てをひっくるめて1回路と表現しています。
この写真の子ブレーカーの容量は20Aまでですので、子ブレーカーから先で使用される電気機器が増えるほど子ブレーカーは落ちやすくなります。
突然電気が使えなくなったとテナントから連絡がきて現地確認した場合、1回路で電気を使いすぎて過電流で子ブレーカーが落ちている場合がほとんどです。
私が経験したケースだと、冬場にテナントから「一部のコンセントだけ電気が使えない」と連絡が入って現地に確認しにいくと、同一回路から電気ストーブなど電力消費が多い家電を複数使ってブレーカーが落ちているパターンがほとんどでした。
この場合は、テナントの人に別の回路のコンセントを使うように促したりして対応をします。
回路が足りない場合は、使用するのを我慢するように案内します。
そもそも電気ストーブは火災の危険もあるため、あまり使わせたくない設備なんですよね・・。
漏電でトリップ
次に漏電でブレーカーが落ちるケースについて解説します。
商業施設で勤務していると漏電のトラブルは結構あります。
私が印象に残っているものですと、飲食店の厨房の炊飯器が使えなくなったと連絡が入った時のことで、現地を確認したところコンセントと業務用炊飯器のプラグのところに水がモロにかかっていました。
この場合、水がかかることで電気の逃げ道が出来てしまい漏電という状態を発生させます。
普通の人なら、電気炊飯器が使えなくなったらコンセントプラグを確認しそうですよね?
しかし、そこの商業施設のテナントの人達は、「設備に不具合が発生したらとりあえずビルメンに連絡する」という考えが定着してしまっており、自分たちでは何もしないスタンスだったんですよね。
このトラブルの時は子ブレーカーに漏電遮断機能がついていたので、1回路だけ落ちただけで済みました。
もし、先ほどの写真のように子ブレーカーに漏電遮断機能がない場合、上流の漏電ブレーカーが落ちるため分電盤の範囲全体の電気が使えなくなってしまうので注意が必要です。
このときは、コンセントの水を拭き取りよく乾かしてから、念のため絶縁抵抗測定をして異常がないことを確認してからブレーカーを復旧して対応終了となりました。
衛生関係
私が勤務していた商業施設では、衛生関係のトラブルが一番多かったです。
照明器具の球替えも多いですが、あれは営繕と呼べるのか微妙なので・・・。
主に客用トイレや洗面台の詰まり、テナント厨房内の水栓の漏水や排水の詰まりなどがあります。
トイレの詰まりであれば、ビルメンの友達ラバーカップ君でほとんど改善しますが、稀に異物を流されて詰まっているケースがあり、この場合は便器の脱着が必要になります。
ちなみに、便器脱着の頻度は3か月に1回くらいですかね・・・。
ちにみに、洗面台や流しの詰まりは排水トラップに髪の毛や石鹸カスが堆積していることがほとんどなので、排水トラップを取り外して掃除すれば改善します。
排水トラップの脱着は自宅の流しとかでも練習できますので、入社前に自宅で分解して仕組みなどを覚えておくと本番で混乱しないで済むかもしれません。
水栓からの漏水はパッキンやスピンドルを交換すればほぼ改善します。
ちなみに水栓は色々な形がありますので、慣れないうちは先輩に聞いたりネットで検索したりしながら修理していけば良いと思います。
また、従業員用トイレのウォシュレット交換なんかもやることがあります。
ウォシュレットの交換は簡単なので、自宅のウォシュレットが壊れたときなんかは自分で交換してみると良いですよ。
衛生関係の営繕スキルは家庭でも活かせるものが多いので覚えておいて損は無いですね!
建具関係
建具とは扉や窓のことを指します。
扉や窓は頻繁に動かすため劣化しやすく、巡回中に不具合を発見することもあります。
症状としては、主に扉の蝶番のビスがゆるんで扉が傾き閉まりづらいなどの症状が出て呼ばれることが多かったですね。
木製扉の場合はビスの穴が広がってしまっていることがあるので、少しサイズの大きなビスに交換して取り付け直したりしてました。
また、外部に通じる扉の場合、鍵穴に砂ぼこりが詰まって鍵が回しづらくなる場合があります。
こういうときは鍵(シリンダー)を分解して中を清掃することで復旧します。
分解方法はネットで調べれば載ってますので、おそらく誰でも出来ると思います。
※最初は先輩と一緒にやりましょう。
なお、建具関係のトラブルは直す人によってやり方が結構違うので、現場の先輩達にルールを確認しながら学んでいくようにしましょう。
ちなみに建具関係のトラブルを工夫して上手に直せた時はやりがいを感じますよ。
建具関係の営繕スキルも家庭で活かすことができますね!
催事の準備
催事の準備は商業施設特有の雑務ですね。
デパートとかで「北海道フェア」など、フロアの一部を使って色んなお店が出店しているイベントみたいなものを見たことがありませんか?
こういった会場では、催事の内容によっては各お店ごとに流し台やコンセントが必要になる場合があります。
商業施設ビルメンの業務には、これらの準備の手伝いが含まれています。
流し台は持ち運び可能な簡易的なものではありますが、結構重量がありますので運搬は大変です。
また、コンセントはケーブルがむき出しですと危ないので、モールという保護カバーを床に設置して各お店が利用する箇所まで配線していました。
催事の準備や撤去は施設の営業時間外でないと出来ないため、必ず時間外勤務になっていたので辛かったです。
ちなみに催事の準備がビルメンの業務になっていない現場もあるので、全ての商業施設ビルメンに当てはまるわけではありません。
避難訓練
全ての商業施設が該当するわけではないと思いますが、私が配属されていた現場では火災が発生した場合を想定して月に1回テナントの人達と一緒に避難訓練をやっていました。
訓練の内容ですが、各テナントから代表者数名に参加してもらい、ビルメンがテナントの人に説明しながら避難経路の確認や実際に避難口まで誘導をして終わりです。
ちなみに訓練はお客さんがいない営業開始前にやるのですが、お客さんがいる状態を想定して実施するため、避難をしながら大声で「火事だー!火事だー!」と叫ばなくてはいけません。
また、テナントの人たちに訓練の流れを説明しなくてはいけないため、あがり症の私には結構辛い業務でした。
雪かき
雪が降った日は雪かきをします・・。
前日から大雪が降るとわかっている場合は、事前に融雪剤を撒いたりして対応したりもします。
大変といえば大変ですが、雪かきするだけで給料がもらえると思ったら楽だと思いませんか?
ビルメンの仕事は建物がいつも同じ状態で使用できるように維持管理することです。
雪が積もっていたら建物がいつもどおり使えませんので、どんなビルに配属された場合でも雪かき業務は発生すると思っておいた方がいいかも。
雑用
他にも色んな雑用を頼まれることがあります。
中にはビルメンがやる必要のない小修繕もありました。
例えば、「掃除機が壊れたから見て」、「プリンターを買ったから設置して」、「踏み台が壊れたから直して」、「虫が発生したからとりあえず来て」などなどいくらでも出てきます。
商業施設ビルメンはイレギュラーなことが起きやすいものだと思っておきましょう。
ただ、雑用に関しては全部出来る必要はないので安心してください。
営繕が出来ないとマウントを取ってくる同僚もいますが、本来の業務は設備の維持管理なので、出来ないものは出来ないでも良いと思います。
人には得手不得手があります。最低限ビルメンがしなくてはいけない業務を優先して覚えていき、苦手なことは少しずつ経験していけばいいと思いますよ。
商業施設ビルメンになる方へアドバイス
商業施設に配属された直後はOJTで、先輩と一緒に日常巡回のコースを回ることになりと思います。
巡回しながら各設備の運転方法などを教えて貰えますが、機械室は各設備が駆動している音がうるさく声が先輩の説明が聞き取りにくい場合もありますので、その場ではスマホで写真を撮ったりメモをしたりするなどして、事務所に戻ってからもう一度先輩に運転方法の確認をしましょう。
写真付きのマニュアルがある現場なら良いのですが、商業施設ビルメンは忙しいためか私の配属されていた現場にはマニュアルは皆無でした・・。
勉強もかねて、自分自身でマニュアルを作成するくらいの気持ちで業務を覚えていったほうが良いと思います。
また、日常巡回コースを覚えるのと並行して、各フロアにどんなテナントが入っているかを覚えるのも重要です。
営繕の依頼が来た時に、テナントの場所がわからないと現場へすぐに駆け付けつけることが出来ませんからね。
各テナントの場所はフロアガイドを貰って施設内を巡回しながら覚えましょう。
入社してすぐの頃は上記の内容に注意して仕事に慣れていけば良いと思います。
日常巡回のコースを覚えたら、なるべく早めに館内の場所(機械室、パイプシャフト、トイレ、テナントの位置など)を覚えることが大事ですね!
広い施設だと2,3か月はかかると思いますが・・・。
商業施設ビルメンで働く人に覚悟してほしいこと
次に商業施設で働く場合に覚悟してほしいことを紹介します。
商業施設ビルメンは業務量が多い
私は2か所で商業施設ビルメンを経験していますが、やはり商業施設は業務量は多くなりがちです。
以下が業務量の多くなる理由です。
- 施設内に多くのテナントが入居しているため営繕依頼が多い
- 飲食店が入っているため、電気・水回り系のトラブルが増える
- 不特定多数のお客さんが来館するため設備が壊れやすい
一日中事務所で待機して資格の勉強が出来るような状況を期待してビルメンになった人には、この状況はきついかもしれませんね。
商業施設ビルメンはコミュ力が必要
ビルメンは人と話す機会が少ないと思って入社してくる方もいると思います。
確かにほとんど人と話す機会がない現場もあるのですが、配属現場が商業施設の場合はコミュニケーションをとる機会は多いと思った方がいいです。
というのも、商業施設はテナントからの営繕対応の依頼が多く、お店のスタッフの人とコミュニケーションを取る機会が頻繁にあります。
また、営繕の依頼は電話で来ることもありますので電話対応も必要になります。
最初のうちは電話がかかってきても、「誰から?どこで?どんなトラブルが起きていているのか?」くらいが聞ければ十分です。
しかし、社会人経験が浅い方だと電話対応も緊張して出来ないかもしれません。
私が配属されていた現場でも、電話対応が苦手という人は結構いました。
電話対応で緊張してしまうのは、その業務の事がよくわかってないため緊張してしまうことが原因の一つです。
業務に慣れてくれば、堂々と話せるようになることもありますよ!
商業施設ビルメンは残業が多い
現場にもよりますが、商業施設に配属されると残業が結構あります。
ビルメン=残業無しと思って入社してみて、配属現場が商業施設だとギャップがすごいかもしれません。
私の配属された現場は月平均20~30時間くらいでしたが、月に50時間以上残業がある現場もあるそうです。
ただし、当直→明け休み→公休サイクルの現場の場合、明けの日の残業によって残業時間が増えている場合もあるため、実はそんなにきつくなかったりします。
※明け残業中は眠いですけど、帰ったら2連休みたいなものですからね。
最後に「商業施設ビルメンは結構楽しいですよ!」
色々書いてきましたが、商業施設はビルメンに必要なスキルを一通り学べるのでとても良い環境だと思っています。
また、商業施設であればビル管理士の実務経験が間違いなく積める点も大きいです。
「商業施設だからハズレ現場だ」と思わずに、経験が積めると思って前向きな気持ちで働いてみてほしいです。
60代でも商業施設で働いているビルメンもいるくらいなので、業務量はそんなに心配しなくてもいいかも?
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