下水処理場の仕事はやばい?きついの?年収が低くても転職するべきメリットを調査しました!
水処理施設の仕事が楽だと聞いたのだが、実際のところどうなんだね?
妻にも逃げられたし、この際給料なんてどうでもいいのだが。
水処理施設の仕事は楽らしいので私も気になっていた仕事です!
仕事内容や待遇を調査したので紹介しますね!
皆さんは水処理施設をご存知でしょうか。
水処理施設とは、私達が生活で利用する飲料水やトイレ等で流す排水の管理をする場所になります。
私はビルメンの仕事を始めるまで水処理施設の存在を全く知りませんでしたが、業務で必要とされる資格がビルメンと似ているため今後の転職先の候補に考えています。
この記事では水処理施設の中でも楽だと言われている「下水処理場」についてご紹介したいと思います。
★ビルメンに興味がある方は以下の記事をご覧ください。
下水処理場とは
下水処理場とは、私たちが生活排水(流し台、お風呂、トイレなど)として排出している下水道の汚水を浄化して、河川や湖沼、海へ放流する施設のことです。
また日本の下水道法では、「終末処理場」と呼称しています。
下水処理場の他にも、浄化センター、水再生センター、水処理センターなどと呼ばれることもあるようです。
下水処理場で汚水を浄化するヤバイ仕組み
それでは下水処理場で汚水がどのようにして浄化されているのか仕組みを紹介します。
仕事に興味を持つことは大切なので、是非勉強していってください!
しかし、これを考えた人はヤバイくらいの天才だと思います。
最初沈殿池
下水道から処理施設へ来た汚水は、まず「沈砂池」で大きなゴミや砂が取り除きます。
※沈砂池:水に含まれた固体成分を重力による自然落下で下に沈めるための場所
その後、ここで紹介している「最初沈殿池」へ流入します。
最初沈殿池では、汚水内の小さなゴミや砂が取り除かれます。
【例外】オキシデーションディッチ法を採用している下水処理場だと、最初沈殿池が不要になります。
反応タンク
最初沈殿池でゴミや砂などを取り除かれた汚水は、次に「反応タンク」へ移動します。
反応タンクでは微生物などを利用して、汚水の中の有機物・窒素・リンを中心とした汚濁物質を処理します。
簡単に言うと微生物が汚水の中の汚い成分を食べて、綺麗にしてくれる感じです。(実際はまだ汚いですが)
微生物の活動には大量の酸素を必要とするため、反応タンクにはエアレーションを使って空気を送り込んでいます。
※反応タンクは曝気槽とも呼ばれています。
最終沈殿池
反応タンクで大量の有機物を食べた微生物は、汚水と一緒に、「最終沈殿池」へ移動します。
最終沈殿池では、微生物たちを4,5時間かけて重力による自然落下で沈殿させます。
これにより、最終沈殿池の上部には澄んだ水が、下部には微生物を含む汚泥が溜まることになります。
泥水を放置しておくと水と土が分離して下に土が溜まるのと同じ現象です。
その後、上部の澄んだ水は「消毒施設」へ、下部に沈殿した微生物を含む汚泥は、「再び反応タンクに戻って汚水の処理を行わせる」か、「汚泥処理施設へ移動」することになります。
消毒施設
先ほどの最終沈殿池から来た水ですが、まだ大腸菌などの細菌を含んでいます。
このままこの水を河川や海に放流すると危険なので、放流前に「消毒施設」で塩素消毒を行い河川などに放流します。
うんこ水が、短時間で綺麗な水になる。
素晴らしい技術だと思います!
汚泥処理施設
最終沈殿池に沈殿した汚泥の一部は反応タンクで再び汚水処理に使われますが、繰り返していると汚泥が余ってしまいます。
そこで、余分な汚泥は汚泥処理施設へ移動させます。
汚泥処理施設では、汚泥を適切に処理することで、セメントや建築資材などに加工して再利用しています。
また、処理の過程で発生するメタンガスなどは発電機の燃料となり、電力として有効活用されています。
以下は画像は、これまでの流れをまとめた全体像です。
うんこを無駄なく利用する。
人間の知恵はすごいです・・。
★以下の動画で船橋市の西浦下水処理場の紹介をしています。汚水処理の過程がとてもわかりやすく解説されていますよ。
下水処理場ではどんな仕事をするの?やめとけ?
下水処理場では、どんな仕事をしているのでしょうか?
大阪で水処理関係の業務を請け負っている東洋メンテナンス株式会社さんのホームページに、下水処理場で勤務されているスタッフの1日のスケジュールが掲載されていたので、こちらを引用して紹介させて頂きます。
※ここで紹介しているのは全て日勤のシフトとなっていますが、下水処理場は24時間稼働しているため、交代で夜勤もあります。
なお、業務内容によって「中央監視」、「水処理」、「水質検査」にわかれているようなので、各担当のスケジュールを載せています。
中央監視担当(兼責任者)
中央監視室にあるモニターで下水処理場内の各機器の状況をチェックし、状況に応じて機器の運転・停止を操作する。
09:00 | 朝礼・引継ぎ後、水質検査(毎日試験) |
10:00 | 場内巡視 |
11:00 | 中央監視業務 |
12:00 | ランチタイム |
13:00 | 故障設備調査 |
14:00 | 中央監視業務 |
15:00 | 場内巡視 |
16:00 | 日報作成 |
17:30 | 業務終了 |
水処理担当の主な業務
下水処理場内の巡回点検や設備の点検整備などをメインに、中央監視室での作業も行う。
08:45 | 朝礼 |
9:00 | 巡回点検 |
11:30 | 監視業務 |
12:30 | 昼休憩 |
13:30 | 巡回点検 |
16:00 | 清掃 |
16:30 | 終礼 |
17:00 | 業務終了 |
水質管理担当
施設内で処理している水の水質を検査する。
09:00 | 朝礼・採水 |
10:00 | 分析 |
11:00 | 運転状況の確認 |
12:00 | ランチタイム |
13:00 | 分析 |
14:00 | 現場にて水質計器類点検 |
15:00 | 現場にて水質計器類点検続き |
16:00 | データ整理・書類作成 |
17:00 | 片付け・終礼 |
なお、水質検査では薬品を使って水の色の変化を見ることもあります。
どの業務もルーチンワークなので、落ち着いた環境で働けるようです。
ただしトラブルが起きた場合は、解決に向けて対応をしなくてはいけないため大変みたいですね。
このあたりはビルメンと似ていると思います。
★当ブログをご覧になっている水処理経験者の方から、仕事内容について以下のような投稿を頂けました。
大規模な処理場だと、24時間365日を交代で勤務する
「運転班」と常日勤で土日休みの「保全班」に分かれているのが
通常だと思います。
運転班は文字通り、施設の操作と処理状況の監視が主な仕事です。
点検表に沿って現場を巡回点検するのと、
中央監視室で処理状況を監視して、必要に応じて運転操作や
設定調整を行います。
また、施設の運転状況を日報にまとめる事務作業もあります。
トラブルや大きな工事対応(設備の立上立下)が発生しない限りは
基本的に定時で帰れますし、夜勤がどうしても駄目という人以外は
体力的にもかなり楽です。
保全班は常日勤で、法令点検と機器保守が主な仕事です。
週次・月次・年次の決まった点検清掃や設備への給脂等を行っています。
工事や不具合事項の修繕は基本的にメーカーが行い保全班で実施することは稀です。班長判断でやれそうならやるときもあります。
下水処理場勤務のきつい&ヤバイところ
下水処理場のきついところやヤバイところを調べてみました。
仕事を長く続けるうえで、悪いところを事前に知っておくことは大切なので必ず読んでくださいね!
これらが我慢できなければ「下水処理場の仕事はやめとけ!」ってことですな。
敷地が広いからきつい
下水処理場はとても広いです。
先ほどYouTubeの映像で紹介した、西浦下水処理場はの敷地面積は72,410㎡です。
広さの基準に用いられる東京ドームでも46,755㎡なので、それよりも広いことになります。
その広い敷地内に様々な設備あるため、日常の巡回をするだけでもきついようです。
ビル管理も大規模施設配属になると大変ですからね・・。
臭いがヤバイ
場所にもよりますが、下水を扱う施設なのでヤバイくらい臭い場所もあるようです。
ただし基本的には匂わない場所の方が多く、匂い自体も仕事をしていれば慣れるようです。
また下水処理場はシャワーが完備されていることがほとんどなので、仮眠前や仕事終わりなどにシャワーを浴びることも出来ます。
似たような仕事でゴミ処理施設もありますが、あちらも臭いが身体に染み付くためシャワーを毎回浴びるらしいですね。
給料が安いからきつい
水処理施設勤務は給料が安いです。
年収300万円台で働く覚悟が必要です。
ただし、ビルメンと同じで大手企業の子会社などに入社すれば、年収400万円を超えることもできます。
夜勤があるのできつい
水処理施設は、地域のインフラを支える重要な施設のため24時間364日稼働しています。
そのため夜勤もありますし、土日祝も関係無く働きます。
シフト制の働き方に抵抗がある人にはきついかもしれません。
水処理施設で勤務されている読者の方から以下のような情報を頂きました。神経質な方は注意が必要だと思いますので載せておきます。
浄水場の配水ポンプや、下水場の汚水ポンプなど
かなり大きい(200kWくらいの)ポンプが24時間稼働しているわけですが
ポンプの建屋と人の駐在する建屋が同じ場合は
仮眠もそのポンプの音が響く中で寝ることになります。
わたしは全く気にしないタイプですが、音に敏感な人だと寝られないかもしれませんね
睡眠不足は短命の原因にもなりますので気を付けたいところです。
下水処理場勤務にはヤバイくらいメリットもある
下水処理場勤務はきつこいことばかりではありません。
当然メリットもあるので、転職を考えている方はよく読んでおいてください。
※会社や配属される現場によってはブラックな環境の場所もあると思います。
忙しい仕事をしてきた人にとって、これらはヤバイくらいのメリットなのではないでしょうか!
ルーチンワークだから仕事は楽
先ほど下水処理場で働くスタッフの方のスケジュールを紹介しましたが、下水処理場の維持管理は基本的にルーチンワークになります。
トラブルなどが発生しなければ毎日同じことの繰り返しなので、イレギュラーなことが苦手な人には魅力的な仕事だと思います。
ビルメンも同じようにルーチンワークですが、テナントからのクレーム処理(館内が暑い・寒いなど)などが無いため下水処理場の方が楽そうです・・・。
基本的に残業が無い
トラブルの発生や、欠員などが出ていなければ基本的に毎日定時で上がれる仕事です。
プライベートの時間を大切にする方には嬉しいですね。
資格取得で給料を上げられる
先ほど水処理施設の仕事は薄給と紹介しましたが、ビルメンと同じで資格取得で収入を上げることもできます。
そのため、やる気がある方は暇な待機時間に資格の勉強をしているようです。
資格手当で給料を上げるのはゲームみたいで面白いですよ!
未経験でも入社しやすい
下水処理場は未経験の中高年でも入社しやすい業界です。
ビルメンと同じで薄給な上に仕事内容も魅力的ではないため、なかなか人が集まりにくいことが理由です。
仕事が安定している
水処理施設は社会インフラを支える仕事であるため、基本的に仕事が無くなることはありません。
そのため定年まで安定して働ける業界であるといえます。
ただし勤務先の現場が入札で負けて失注してしまうと、別の現場に異動するか、そのまま他社に引き抜いてもらわないと職を失うことになります。
それでも、これまでの経験や資格があれば転職は容易だと思いますが・・・。
コミュ障でも働ける
ビルメンの場合は、ビルのテナントやビルオーナーなどと話す機会があるため一定のコミュ力が必要ですが、水処理場のヒラ社員であれば基本的に同僚以外とはコミュニケーションを取る必要がありません。
そのため、コミュ障に優しい仕事であると言えます。
地方でも求人がある
水処理関係の仕事はインフラを支える仕事なので地方でも求人があります。
ただし、駅の近くなど通勤のしやすい場所に処理場があることはほとんど無いので、マイカーや自転車で通勤することになります。
ビルメンは地方だと中々求人が見つからないですからねぇ。
下水処理場の求人を紹介
下水処理場の求人にはどんなものがあるのかご紹介します。
こちらは、水処理施設の管理で全国展開しているメタウォーターサービス㈱さんの求人です。
※求人掲載サイト:建設・設備求人データベース(2023年10月確認)
この求人は栃木県での募集ですが、各地域に管理施設はあります。
他の地域で仕事をお探しの方は、建設・設備求人データベースさんに問い合わせてみてください!
待遇面ですが、年間休日115日で、年収もそこそこ貰えるため悪くないと思います。
なお、求人検索する場合は「下水処理場」、「浄化センター」、「水再生センター」、「水処理センター」などのワードで検索しましょう!
下水処理場勤務で有利な資格
下水処理場の維持管理で必要な資格をまとてみました。
- 電気工事士
- 下水道技術検定3種
- 電気主任技術者
- 廃棄物処理施設技術管理者
- 電気施工管理技士
- エネルギー管理士
- 公害防止管理者
- 技術士
- 環境測量士
- 危険物取扱者乙種4類
- 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
- 運転免許(無くても応募できる求人あり)
上記資格は就職活動で有利になったり、資格手当の支給対象となっているだけで、無資格の方でも採用はされます。(技術士なんて相当難しいですからね・・)
以下はアイテック㈱で公開されている資格手当の一部です。この金額が毎月貰えます。
下水道第3種技術検定 | 8,000円 |
---|---|
第3種電気主任技術者 | 50,000円 |
エネルギー管理士 | 20,000円 |
公害防止管理者 | 3,000円 |
工事担任者AI・DD総合 | 5,000円 |
環境計量士 | 30,000円 |
危険物取扱者乙種4類 | 2,000円 |
毒劇物取扱者 | 1,000円 |
まとめ(下水処理場勤務は楽だけどきついこともある)
今回はビルメンと同じ施設管理系の仕事でもある、下水処理場についてまとめてみました。
一番気になるであろう臭い問題については、最初はヤバイくらいの臭いで仕事に行くのも嫌になるようですが1か月ほどで慣れるらしいです。
そもそも、そんなにヤバイ臭いだったら誰もこの仕事は出来ないですし、最悪人命にも影響がありそうですもんね。
あとは低い年収に関して妥協が出来れば悪くない仕事だと思います。
以下の記事では、水処理場を含むインフラ系の維持管理を事業としている会社を掲載していますので、会社選びの参考にしてみてください。
インフラ設備管理業界で転職活動をする場合、転職エージェントを使うのがオススメです。
非公開求人の紹介から、面接対策や履歴書作成のアドバイスまで全て無料でサポート可能な上に、さらに内定後は企業との給与交渉まで代わりに対応してくれます。
以下の転職エージェントは維持管理系の求人を多く取り扱っているので、一度相談してみてはいかがでしょうか!
※可能なら上記2つとも登録しておくと早く仕事が見つかると思います。
★バイオマス発電所や地域冷暖房の維持管理の仕事もオススメです。ビルメン求人が少ない地方でも仕事がある可能性が高いので、転職先の候補に入れてみてはいかがでしょうか。以下の記事で特集しているので、気になる方は確認してみてください。
ディスカッション
コメント一覧
こういうところに転職したら、せっかく取ったビル管が紙切れになっちゃいますよね?
水処理関係でも敷地内に特定建築物がある現場もあるらしいですよ~
下水処理場維持管理は最高です
私もそう思います!
水処理施設運転員から政令市の技術職に転職しました。
給料は不満でしたが、し尿処理施設の運転員は非常に楽しかったです。年次を重ねれば年収400万は堅いですし。
資格を取る元気もありますし、何より時間が多いです。休めます。
公務員良いですね!羨ましいです。