電気管理技術者の実務経歴証明書の書き方!ビルメンから管技を目指す方向け【質問に回答】
先日投稿した電気管理技術者の記事ですが、YouTubeの方で以下の質問がありましたので、他の方にも需要があるかと思いもう少し詳細にご説明したいと思います。
ちなみに、今回は私のケースのみに限定してご説明しますので、他の方法については記載致しません。
しかし、このケースは多くのビルメンの方が該当するかと思いますので、ご安心頂ければと思います。
それでは早速解説していきたいと思います。
質問に対する回答(電気管理技術者)
質問1(電気主任技術者としての選任経験はありますか?)
ヘタさんはビルメンで電気主任技術者として選任されたことありますか? 5年間電気主任技術者としてビルメンで働いていないと電気保安法人で働けないと思うのですが。
この質問については、関東東北産業保安監督部のホームページに掲載されている実務証明書の記入例を見ながらご説明していきます。(URL https://www.safety-kanto.meti.go.jp/denki/jikayou/itaku02.html)
以下 記載例
長くて見づらいですが我慢してください笑
見て頂くとわかりますが、実務経験となるパターンは➀~⑥で計6種類あります。
そのうち、➀、➁は自社ビルや自社工場が該当し、③、④はビルメンテナンス会社のように請負契約で派遣されている場合を指すようです。※⑤,⑥はビルメン関係とはかけ離れているので今回は触れません。
そして、➀、③は電気主任技術者に選任されている場合となっており、質問者の方はこの事を言ってるものと思われます。
しかし、➁、④に関しては、申請者が電気主任技術者として選任されていることを求めておらず、電気主任技術者の下で電気工作物の維持管理に従事していれば良いとなっております。
私はこのパターンで申請しているため、電気主任技術者の選任経験が無くても申請が通りました。
ちなみに、私の場合は自社ビルのため➁となりますが、一般的なビルメン会社の場合は④のケースに該当すると言って申請すれば通るはずです。
ただし、役所の担当者によって考えが変わったりする場合もあるらしいので、確実にいくなら関東東北産業保安監督部へ直接連絡し、ご自身のケースが該当するのか聞いた方が良いです。
なお、維持管理の業務が具体的にどのような者が該当するかは、後ほど私の作成した書類をお見せしますので、そちらを参考にしてみてください。
ちなみに、5年の実務経験ですが、現在は保安協会が開催している実務講習を受けることで3年に短縮することができるようになっています。
質問2(電気主任技術者は外部委託でも良いの?)
ヘタさん 電気保安法人に提出する実務経験証明書についてですがビルメンテナンスの仕事で電気主任技術者の下で業務をしていた期間のみが実務経験証明書に書くことができて、電気主任技術者の下で業務をしていない期間は実務経験証明書に書けないという認識で良いでしょうか? 以上よろしくお願いします。
この質問につきましては、質問者さんの認識でよろしいかと思います。
一つ付け加えておくと、自分が所属しているビルメン会社とは別の組織から電気主任が選任されている場合もOKだということです。
例えばビルメン会社の方で電気主任を用意せずに、電気保安協会に電気主任の業務だけはお願いしている場合が該当します。
私も今の現場は保安協会に電気主任業務をお願いしていますが、問題なく申請が通っております。
なお、巡回ビルメンの場合だと実務経験と認めてもらうのは厳しそうです。
巡回ビルメンは、業務の性質上、常駐型と違い電気設備の維持管理をしているとは言いづらいからです。
現在巡回型ビルメンで、どうしても気になる方は、保安監督部の方に問い合わせて詰めていく必要があるかと思います。
質問3(実務経歴証明書に有効期限はありますか?)
一度、会社に実務経歴の書類に押印を押してもらえば、どのタイミングからでも保安法人さんに勤める事ができるのでしょうか? つまり、現在保安法人さんを保留にしている状態と動画で出てますが、産業保安監督部に一度書類を提出すれば有効期限的なモノはないのでしょうか? 書類提出後、半年以内に開業する事とか…です。
こちらの質問は、私も申請書類を集めているときに気になっていたので、経産省の方に聞いております。
その時の回答ですが、作成した書類自体は基本的にずっと有効だそうです。
ただし、大きな法改正があった場合などには書類が無効になってしまう場合もあるため、常識的な範囲内で開業登録してくださいとは言われております。(一応、10年でも平気とは言われました)
書類作成途中の注意点ですが、開業が遅れてしまう予定の方は、必ず経産省とのやり取りをメールで行ってください。
最終的に押印までした書類をPDFで送付して担当者に確認してもらい、書類に不備がない事の確認の返信を貰っておきましょう。
ここまでしておけば、よっぽどのことが無い限り開業直前になって書類が受け付けられませんとなることは無いと思います。
怖いのは、既にビルメン会社を退社しており、管技の機材も揃えていざ開業申請するときに、この経験では認められないとか、書類に不備があるよと言われてしまうパターンです。
これから個人事業主になるのですから書類関連に関しては慎重にいきましょう。
質問4(会社の証明印を貰うコツ)
会社から実務経験証明書に判子貰うとき何の資格を取るといいましたか? 電工1種とかですかね? わたしはここがハードルになりそうで。。
確かにこれは難しいですよね。
電気管理技術者になるということは、会社を辞めて独立するってことですからね。
私の場合は、電気系の資格を取りたいので実務証明書に押印してくださいと伝えております。(具体的な資格の名称は言ってません笑)
提出する実務証明書には、どこにも「電気管理技術者」というワードが入っていないため、一見何の資格を取るのかわかりません。
そのため、質問者さんのように管理技術者の書類であることを隠して申請したい場合は、電工1種や、電気施工管理技士などの実務証明書と言ってもいいかもしれません。
ちなみに、電工1種の証明書も作ったことがありますが、様式が電気管理技術者と結構似てるのでバレないかもしれません。
質問5(電気保安法人って何?)
電気保安法人って会社員ではないのですか? 電気管理技術者は独立して電気保安法人とほぼ同じ仕事をする認識です。
私が面接を受けたのは電気保安法人になります。
ただし、直接的な雇用関係があるわけではなく業務委託という形になるので、私自身は個人事業主として働くことになります。そのため、請負件数や手伝いなどの業務が少なければ当然報酬は減ります。
ちなみに、この保安法人自体で、正社員の電気主任技術者も雇っており、彼らは保安法人と直接的な雇用関係があるので、業務量に関わらず月給が必ず貰えます。
どちらの働き方が良いのかは、その人の考え方や年齢によって違ってくると思います。
ちなみに、面談の際に個人事業主としての雇用しか提案されなかったので、正社員として直接雇用すると保安法人側は損するのだと思います笑
人手不足であるなら、業務委託ではなく正社員として雇用したほうが確実ですからね。
私が作成した管技の実務経歴証明書
次に実際に私が作成した書類をお見せします。
特定を防ぐために、多くの個所を塗りつぶしてます。
ページが複数になる場合は製本して、必ず割り印を押します。各ページの青い大きな資格の部分は割り印の個所です。
従事した業務内容は、全て過去形で記載します。「~~の業務を行った」などです。
組織図は、会社の規模が大きければもっと複雑になります。
この他に、保安協会との管理委託契約書の写し、電験免状の写しなどが必要になってきます。
ちなみに製本テープは下記の製品を使いました。
まとめ
とりあえず、ご紹介出来そうなのはこのくらいになります。
私はこの申請で通ったというだけですので、詳しい話はお役所に問い合わせるほうが間違いないです。
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★電気主任技術者として選任された場合のデメリットや仕事のやりがいについては以下の記事で紹介しています。
ディスカッション
コメント一覧
初めまして。
実務経歴証明書の記入例大変参考になりました。
「私が作成した管技の実務経歴証明書」では業務内容が
1ページしかありませんが、1ページで申請が通ったのでしょうか?
もしくは実際は詳細に何ページも記入しているという事でしょうか?
実務を証明する書類は1ページですね。
しかし、人によっては複数枚になることもいるみたいですよ!
例)記載する会社が複数個所ある場合
ご返信ありがとうございます。
知り合いの保安協会の方の実務経験のページが
何枚にも渡って記入されていたので恐縮していたしだいでした。
当方小規模設備のビルメンのため1ページ程の記載になるかと思うので
安心致しました。ありがとうございます。
大変貴重な内容でとても助かります。
今回ご説明のあった「質問 1 」の件に対して重複する部分もあるかと思いますが質問させてください。
選任されていなくても5年間の実務があれば証明できるとのことですが、
私の認識ですと 選任されていれば1日の業務のうち1時間しか電気設備に関わらずに、 残りの時間は 電気設備とは全く無関係の業務をしていても 丸1日電気設備の保守を行ったという扱いになり、1日勤務すれば 1日分の実務経験の証明に該当するが、 選任でない場合は実際に電気設備に関わった 時間を申請書に詳細に記載させられ、関わった時間のみが カウントされるため、5年分の実務経験を積むためには その倍以上の期間が必要だと言われた記憶がありますがどうなのでしょうか。
選任でない場合、保安監督部から質問された時には一日中 電気設備の仕事をしていたと回答しなければいけないのでしょうか。
それとも事実をありのまま話してしまっても5年で証明が取れるのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
おつかれさまです。
私は書面の内容のとおりの申請で通っていますので、1日中電気設備の仕事をしなくても良いという認識です。
もちろん上記で保安監督部の承諾も得ています。
ただし、担当者によって考え方も違うかもしれませんので、詳細はご自身が申請予定の産業保安監督部に聞いてみることをオススメします。
普通にメールを送れば親切に答えてくれますよ。(メールで確認することで、それが証明になります。)
よくわかりました。
ありがとうございました。
質問2(電気主任技術者は外部委託でも良いの?)について質問させてください。
私は現在、系列系のビルメン会社で働いています。
勤務先のビルでは、電気主任技術者を外部委託しており、電気主任技術者は点検の時に来るだけで、常駐していません。
このような場合でも、④に該当すると考えて良いのでしょうか。
と言うのは、外部専任と外部委託は違うという文書を見つけたので、気になってしまいました。
参考「外部選任と外部委託制度の違いについて」
https://www.safety-kanto.meti.go.jp/electric/data/jikayou/sankou1.pdf
返信遅くなってすいません。
私がその状況ですので大丈夫ですよ!
担当者によって考え方が違うかもしれませんので念のため産業保安監督部に問い合わせてみてください。