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ビルメンの危険な作業4選!安全対策を確実にすれば安心です!【現役ビルメン監修】

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キヨシ

ビルメンの仕事でケガをするような危ない作業ってあるんか?

ヘタ・レイ

ビルメンは現場に出て作業をすることもあるため、
デスクワークの仕事と比べたら危ない作業が多いですね。
思いついた作業をいくつかご紹介しますね。

ビルメン業務の中で危険な作業があれば教えてほしい」とYouTubeのコメントで要望がありましたので、この記事でいくつかご紹介したいと思います。

なるべく画像などを使ってイメージしやすいようにご紹介しますので、良かったら最後までご覧ください!

ビルメンの危険な作業の話をする前に

危険な作業の話をする前にお伝えしておきます。

私はビルメンを10年やっておりますが、仕事中に大きなケガをしたことは一度もありません。

ヘタ・レイ

カッターで指をちょっと切るくらいはありますが・・

また、私の同僚でケガをしたという話も聞いたことがありません。

そのため、危険な作業によりケガをすることを恐れてビルメンになることを躊躇している方がいましたら、心配しなくても大丈夫とだけお伝えしておきます。

だからと言って油断してはいけませんが・・。

ビルメンの危険な作業①「高所作業」

まずは危険な作業の定番とも言える高所作業からお伝えします。

高所作業と言っても、下記写真のようなビルの窓ガラス清掃のような作業はありませんのでご安心ください。

窓ガラス清掃

屋上高架水槽点検

この作業は高所恐怖症の方にはきついかもしれません。

ビルの屋上には、高架水槽というビルに供給する水を貯めておくタンクがあります。

ビルメンは定期的にこのタンクがあるところまで昇っていき、タンクの外観点検や点検口から中の水の状態を確認します。

下の図が高架水槽のイメージです。

タンクはビルの屋上よりもさらに高い位置にあるため結構怖いです。

怖い作業ではありますが、昇る場合は2人行動が基本ですし、以下のようにヘルメットと安全帯を着用するため、大けがをするような事故が発生することはほぼありません。

※安全帯は「墜落制止用器具(フルハーネス)」に変更されました。ただし現場等で安全帯という呼称をすることは問題ありません。

ビルの給水方式によっては、屋上に高架水槽を設置していない場合もあります。

ヘタ・レイ

ビルの給水方式の種類についてはビル管理士の試験で勉強しますよ!

>>ビル管理士を解説【ビルメン必須資格】

脚立を使った作業

高所の電球交換や、エアコンのフィルター交換をする際に脚立を使います。

対象の高さによって使用する脚立の長さは変わります。

下の図が作業のイメージです。

これらの作業では、自分が脚立から落ちてケガをする、若しくは下に物を落下させて相手にケガをさせるなどの危険性があります。

コンプライアンスのしっかりした会社だと、何歳以上(60歳くらい)の社員は脚立作業禁止というところもあります。

脚立を使うルール
  • 原則2人作業で、1人は下で脚立を抑える(付近に人が来ないか見張る役割もある)
  • 天板(脚立の一番上)には乗らない
  • 足元が不安定な場所で使用しない
  • 脚立の足は完全に開いた状態で使用する

ハシゴ作業

高い場所や狭い場所の場合、下の写真のように脚立を開いて使う場合もあります。

このような状態を「ハシゴにして使う」とか言ったりしますが、見ればわかる通り脚立と違いかなり危険な作業です。

ハシゴ作業は慣れていてもあまりやりたくないです。

こちらも下で支える人が必要なので2人作業が必須ですね。

出典元:ALINCO

高い所に昇る作業は他にあります

冷却塔、吸気ファン、排気ファン、受水槽など高い所に昇って点検をする作業は他にも色々とあります。

中には足場の悪い環境で作業をする場合もあります。

こういった危険を伴う作業は慣れた頃が一番危ないので、臆病なくらいが丁度良いですよ!

ちなみに高所作業の頻度は配属されるビルによって様々です。

環境によっては全く高所作業が無いビルメンもいるかもしれません・・。

ヘタ・レイ

高い場所で難易度の高い作業をする場合は、絶対に二人で作業をしましょう!
それだけで事故のリスクを減らせます。

ビルメンの危険な作業②「電気関連の作業」

ビルメンは電気工事士や電気主任技術者という資格を取得するくらいなので、業務上で電気を扱うことがあります。

電気に詳しくない方でも電気が危険なものであることはご存知かと思いますが、家庭用のコンセントのような低圧の電気であっても運が悪いと死亡事故が発生する可能性もあります。

さらにビルメンの場合は、高圧の電気設備とも関わることになるため常に緊張感を持って業務にあたらないといけません。

電気関連の作業(低圧)

低圧電気関連の作業は写真のような蛍光灯の器具を交換したり、コンセントの交換などが該当します。

各器具には電線が繋がっているため、安全に作業をするためにもブレーカーを切って、検電器で無電圧を確認してから作業するのがベストです。

ちなみに工事対象の回路とは別のブレーカーを切ってしまい、検電器で無電圧を確認しないまま素手で作業をして感電なんてことがよくあります。

手順通りに作業をすれば事故は起こりませんので、複数人で安全確認しながら作業することが大事です。

なお、テナントやオーナーからの要望で、ブレーカーを入のまま作業してほしいと頼まれる場合もあります。

どうしても切れない場合はブレーカーを入のまま作業するしかありませんが、基本的にはブレーカーを切って作業出来るよう説得することが大事だと私は思います。

ヘタ・レイ

ビルメンは毎日のように電気工事をするわけではないので、慣れてきても常に初心を忘れずに慎重に電気を取り扱ったほうが良いですよ。


下の写真は分電盤の内部です。

通常は扉のような蓋がついており、内部は見えないようになっています。

先ほどご説明した照明器具の交換やコンセント交換をするときは、この中の子ブレーカーをオフにして作業します。

黄色枠の部分は充電部が露出しているため、そのまま素手で触れてしまうと感電します

そのため、分電盤内で作業するときは電気工事用のグローブ(電気を通さない)を装着して作業することが大切です。

また分電盤内では電流測定や、絶縁抵抗測定などの点検を行うことがあります。

工事・点検、どちらも分電盤を開けて作業することがあるため、慣れてきてもグローブなどの保護具の着用は忘れないようにしましょう。

用語の意味
  • 充電部:電気が活きているところ。素手で触ると危険。
  • 電流測定:クランプ電流計を使って、現在流れている電流を測定する。
  • 絶縁抵抗測定:メガー(絶縁抵抗計)を使って、回路の絶縁抵抗を測定する。
  • 検電器:電線や電気器具に電気が来ているか確認することが出来る測定器。
ヘタ・レイ

ここでご紹介した低圧電気の工事や点検の作業内容の意味に関しては、第二種電気工事士を学習することで、ある程度理解できます。
こういうところで資格の勉強が活きてきますね。

>>第二種電気工事士は絶対に取るべき!!

電気関連の作業(高圧)

高圧電気設備をビルメンが直接工事することは無いのですが、点検等で高圧電気設備の近くまで接近することはあります。

下の写真はキュービクルと呼ばれるもので、キュービクル(箱)の内部に高圧の電気設備が入っています。

写真は建物外に設置してありますが、建物内や屋上に設置してある場合もあります。

また建物内に電気室がある場合は、キュービクルが無く高圧電気設備がむき出しの場合もあります。

当然ですが高圧電気設備の付近はとても危険ですので、点検以外で不用意に近づかないようにしましょう。

下っ端ビルメンが内部に入って点検するケースはほぼ無いですが、ビルメンでも漏電が発生した場合などにキュービクル内に入って低圧側を調査することがあります。

しかし慣れるまでは一人で対応することは無いので安心してください。

なお、高圧電気設備の危ない場所にはアクリルのカバーがついており、人が簡単に触れられないようになっています。
※上記写真にもアクリルカバーが写っていますね。

ヘタ・レイ

電験三種や第一種電気工事士を勉強すると、キュービクル内の各機器の役割などを覚えることができます。

>>電験三種をわかりやすく解説します!

>>第一種電気工事士は必要なの?

ビルメンの危険な作業③「各種点検」

ビルメンの点検中に遭遇する危険な作業をご紹介します。

マンホール

ビルの中にはマンホールがたくさんあります。

汚水槽、消防用、湧水槽など地下に水を溜める必要があるもにはマンホールがついています。

また大きな規模のビルだと同じ用途(汚水)のものが複数個所あったりもします。

マンホールは点検のために設置されており、ビルメンは定期的にマンホールの蓋を開けて内部の状態を点検します。

さて、このマンホールの蓋ですが重さが40kg近くあるため、万が一足のつま先に蓋を落としてしまうと大けがをします。

対策は、安全靴を履いて足をガードしておくことです。

自分は怪我しないと思っていても、こういう事故はいつ発生するかわかりませので備えておくに越したことはありません。

マンホール作業以外でもつま先を守ることは大切ですので、現場仕事のビルメンが安全靴を履くことはマストだと思います。

ヘタ・レイ

ビルメン会社によっては安全靴を支給してくれるところもありますが、会社が支給してくれない場合は自腹でも購入しましょう。
ホームセンターで2千円程度で買えますよ。

豆知識

ちなみにマンホールは人(マン)が入るからマンホールと呼びます。

手しか入らないサイズのマンホールもあり、こちらはハンドホールと呼ばれています。

マンホールの中に入るの?

マンホール内に入って実施する作業は基本的に専門業者がやりますが、稀にマンホールの中に入るビルメンもいるようです。

もし中に入る場合は、酸素濃度の測定や硫化水素が発生する場所であれば硫化水素濃度の測定を実施してから入らなくてはいけません。

最悪、酸欠で死亡します。

最近も以下のような事故があったようです。

6月5日新潟県長岡市で、市立図書館の敷地内にあるマンホールで作業をしていた男性2人が意識がない状態で倒れているのが見つかり、病院に搬送されましたがその後、死亡しました。マンホールの中は酸素の濃度が低かったということで、警察は酸欠の可能性もあるとみて調べています。

5日午後5時ごろ長岡市立中央図書館の職員から「作業員2人が倒れている」と消防に通報がありました。

警察によりますと、倒れていた2人は設備会社の従業員で、新潟県見附市の山田栄二さん(47)と新潟県小千谷市の細貝彰さん(28)で、いずれも意識がない状態で、病院に搬送され手当てを受けましたが、その後、死亡しました。

現場は図書館内の地下排水溝に通じるマンホールで合わせて5人で図書館のトイレの改修工事を行っていましたが、発生時は2人がマンホールの中で作業していたということです。

また、図書館の中にいた人は全員が避難して無事だったということです。

消防が調べたところ、マンホールの中は酸素の濃度が低かったということで、警察は酸欠の可能性もあるとみて詳しく調べています。

出典元:NHKニュース(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230605/k10014090561000.html)

上記のような作業をする場合、事業所に酸素欠乏危険作業主任者という資格を持った人を用意しておく必要があります。

ヘタ・レイ

基本的にビルメンはマンホール内に入らないのですが、もし仮に入ることになったとしても酸素濃度などの測定をしないで、内部入らせるようなビルメン会社の場合は速攻でバックレてください。
死亡する可能性があるとても危険な作業です。
なお、私は10年ビルメンをやっていますがマンホールの中には一度も入ったことがありません。

リスナー様から酸欠系の事故事例の情報を頂いたので載せておきます

他社で起きた事故ですが、注意喚起としてお話します。巨大なクリーンルームの法定点検後に空気換気を行い。酸素濃度が基準値に成ったので、内部の安全確認の為に入室するとある一定の場所で作業員が倒れる現象が有り、調査の結果、酸素濃度の低下が原因だそうです(軽症で済んだので良かったです)。 労働局(県?)から通達が有り、酸素濃度が基準値に達してから30分間(?)は入室しない様にとの社則が決められました。入室が出来ないので上長に確認すると教えて頂けました。同一室内でも酸素濃度は測定する場所で違いがある様です。


この事例は入室前に酸素濃度を測定するも、室内が広いためか一部の箇所で酸素が薄い箇所があり、その付近で作業していたところ酸欠を起こしてしまったようです。

以下の記事で紹介している「酸素欠乏危険作業主任者」を所持した知識のある人が監督しないと危険ってことですね。

>>講習で取れるビルメン資格10選

その他の点検作業

ファンベルトの交換作業

ファンベルトの交換作業時に手を挟みこみケガをする可能性があります。

この作業はやっていれば慣れますので、実際に働くようになったら先輩から聞くだけで十分です。

なお、ビルによってはファンベルト交換を全て専門業者に任せている場合もあります。

※写真が無かったのでイメージ画像が作れなくてすいません

突起物

ビルメンが点検する場所は、壁や天井から突起物が出ている場合があります。

ヘタ・レイ

お客さんが利用する場所は綺麗に整備されていますが、業者しか入らないような場所は適当に作られています・・

点検する場所によっては天井が低いところもあり、天井が低いことを忘れて勢いよく立ち上がった時に、それら突起物に頭をぶつけてケガをするなんてこともあります。

ヘルメットを被れば対策は出来ますので、点検作業時は出来るだけヘルメット着用で作業すると良いですね。

点検中に危険な突起物を確認した場合は、上司に報告して緩衝材を巻いておくと安心です!

回転機に巻き込み

回転機(吸排気ファンなど)の点検の際に、不用意に近づきすぎてしまい作業着の袖や首からぶら下げている社員証が巻き込まれる事故もあります。

常識的に考えて運転中の高速回転している回転機に不用意に近づく人はいないと思いますが、例えば停止中の吸排気ファンを点検していたら、タイマー制御で吸排気ファンが自動運転してしまいケガをするようなことは実際に起こり得ます。

こういった事故を防ぐためには、点検対象の機器のブレーカーを切って電源の供給を絶ってから点検をすることが大切です。

ブレーカーを切っていればタイマーで制御していようが吸排気ファンは運転しません。

出典元:㈱協立製作所の送風機
ヘタ・レイ

切ったブレーカーには、点検中と書かれた札を貼っておくと安全ですね。
点検していることを知らない同僚が勝手にブレーカーを入れてしまう場合があるからです。

ビルメンの危険な作業④「営繕」

営繕(物の修理)作業では、工具を使用するため慣れていないとケガをする恐れがあります。

とくに気を付けたいのが写真のような回転機器で、グライダー(サンダー)と呼ばれている工具です。

グラインダー

木材や金属の尖った部分を削ったりするときに使います。

先端に円盤状のヤスリがついており、この円盤が高速回転することで物体を削ります。

先ほど回転機の時にも話しましたが、袖を巻き込まれたりする場合があるので危険です。

上記写真は軍手をしていますが、軍手も巻き込まれる場合があるので会社によっては軍手は不要と言うところもあると思います。

分厚い皮手袋なら安全なようですが、ビルメンのDIYレベルの作業でそこまでのものを会社が購入してくれるかは微妙なところです・・・。

ヘタ・レイ

私は家庭でDIYをしているときにグラインダーで手を削ってしまったことがります。
出血しますし普通に痛いです。

切断系の工具も危険

当然ですがノコギリやカッターなどの工具も使い方を誤ればケガをします。

大騒ぎするほどのケガになることは無いと思いますが・・

全く営繕作業が無い現場もあります

営繕作業があること前提で書いておりますが、全く営繕作業が無いビルメン現場もあります。

そのためグラインダーを、作業で使ったことが無いビルメンもいると思います。

現場に1人や2人こういった工具の使用に慣れたビルメンがいるはずなので、営繕作業が多いビルメン現場に配属されたときにそういった方たちから安全な工具の使い方を学びましょう。

まとめ(危険な作業はありますが・・・)

色々と紹介しましたが、どれも注意や対策をすれば事故を未然に防げるものばかりです。

なお高所作業や電気の作業は、事故が発生した場合の被害が大きいため必ず二人で作業をするようにしましょう。

人数不足でどうしても一人でしか作業が出来ない時は、横着しないで毎回手順書通りに作業をしたほうが良いですね!

ヘタ・レイ

私の父が現役のビルメンだった頃、現場に20代の新人が入ってきたそうです。
その新人に高さ1mくらいの脚立を使って電球交換をさせたところ、次の日にその新人の母親から「こんな危険な作業をするなら退職させます」と会社に連絡があったそうです。
どのレベルの作業を危険に感じるかは人それぞれですが、今回ご紹介した作業はビルメンの基本的な業務ばかりですので、厳しいと思ったらビルメンを諦めましょう。

>>ビルメンの仕事内容を紹介します!