ビルメン(設備管理)の仕事内容を紹介します!【現役ビルメン監修】
この記事では一般的なビルメンテナンス(設備管理)の仕事内容を解説します。
未経験者の方が見てもわかりやすいように、簡単に説明しますので興味がある方は最後まで見ていってくださいね。
ビルメンって何してるのか謎だよね。
確かにビルメンって謎ですよね。
ビルメンという名称すら聞いたことが無い人も大勢いると思います。
そんな人のために、ビルメン歴10年の私がわかりやすくビルメンの仕事内容を解説しますね!
- ビルメンに興味あるけど、具体的に何をする仕事なのか知りたい人
- 無職・ニートでやりたい仕事が見つからない人
ビルメンとは(設備管理と何が違うの?)
ビルメンとは、ビルメンテナンスの略称です。
ビルメン以外の名称だと、ビル管理なんて呼ばれたりもします。
私は自分の職業を聞かれたときなんかは、ビルメンよりはビル管理という言葉を用いて説明することが多いです。
契約書とかで自分の職業を記入するときはビル管理と書いてますね笑
他の名称だと以下のようなものがあります。
- 施設管理
- 保全
- 建物管理
- 不動産管理
会社によって呼び方が様々であり、不動産管理などは全く違う業務をやる可能性もありますので注意が必要です。
なお施工管理という職種もありますが、これは全く違う仕事です!
ちなみに、ビル以外にも病院、ホテル、工場などを管理している場合もあり、この場合は、病院ビルメン、ホテルビルメン、工場ビルメンのように管理している建物の種類の名称を先頭につけて呼んでいます。
ビルメンの仕事内容
ビルメンの業務は、建物が正常に利用出来るように維持・管理をしていくことです。
維持・管理なんて聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、基本的には決められた点検項目に沿って設備の点検をしていくだけなので、ルーチンワークがメインとなります。
※点検する設備にはどのような物があるのか後ほど説明します。
一般企業でサラリーマンをやってた人がビルメンに転職してくると、仕事内容が単調過ぎて物足りなくなってしまうようです。
ちなみに、維持・管理業務には、日々の清掃、設備の点検や修理、建物の保安などが該当し仕事内容は多岐にわたります。
上記のお仕事は、求人ではそれぞれ「清掃」、「設備管理」、「警備」などの職業として募集されています。
清掃や警備もビルメンなんやねぇ
ただし、ビルメンテナンス業界でビルメンと言えば、警備や清掃は含めずに設備管理のことを指す場合がほとんどです。
※以下、ビルメン=設備管理ということで話をしていきます。
さて、本題のビルメンの業務内容について説明をしていきます。
ビルメンの業務は先ほど説明したとおり、設備の点検や修理になります。
カテゴリ別に代表的なものをご紹介します。
- 電気設備:照明、分電盤、キュービクルなど
- 空調設備:エアコン、AHU(エアハンドリングユニット)、FCU(ファンコイルユニット)など
- 換気設備:送風機、排風機など
- 熱源設備:冷凍機、ボイラー、チラーなど
- 防災防犯設備:消防設備全般、防犯カメラ、人感センサーなど
- 搬送設備:エレベーター、エスカレーターなど
- 通信情報設備:電話回線、インターネット回線など
この他に建物そのものも点検対象になります。天井、床、柱、壁、扉など。
ビルメンは上記設備の管理・運転監視・定期点検を行い、異常が発生した場合の一時対応を行っています。
一時対応で復旧が出来ない場合は、専門業者を手配し完全復旧まで継続して対応をしていきます。
ほえー、すごいね。
でも何でこんなことするの?
運転監視:設備が正常に動いているか目視で確認し、ビルの利用者に迷惑がかからないようにすることが目的。
定期点検:点検表にそって設備を点検し、怪しい箇所があれば修理等をすることで設備トラブルを未然に防止することが目的。
また、ビルでは法令で定められた定期点検を実施し行政へ報告する義務があるため、それらの専門的な点検をする専門業者を取りまとめ、報告書を行政へ提出することもビルメンの仕事になります。
法令で定められた点検には以下のようなものがあります。
建物用途や規模によって、これら以外の点検が追加される場合もあります。
基本的に専門業者が行うため、ビルメンが自らやることはありません。
・消防設備点検(消防法)
・防火設備点検(建築基準法)
・貯水槽清掃(水道法)
・排水槽清掃(建築物衛生法)
・飲料水水質検査(ビル管理法)
・害虫・害獣防除(ビル管理法)※ゴキブリとかネズミが該当します
・自家用電気工作物点検(電気事業法)
・建築設備定期検査(建築基準法)
・特定建築物定期調査(建築基準法)
・昇降機等定期検査(建築基準法)※昇降機とはエレベーター、エスカレーターのことです
もしビルメンがいなかったら?
これまで紹介してきた業務をビルメンがやらなければ、ビルの所有者、すなわちビルのオーナーが自ら点検などをしなければいけません。
こういった地味だけど面倒な業務を、ビルオーナーの代わりに請け負っているのがビルメンテナンス会社なのです。
ビルメンテナンス会社は、その対価としてビルオーナーからお金を頂いています。
また、各設備には耐用年数(寿命)がありますので、寿命によって各設備が壊れる前に交換する計画を立て、交換の提案をビルオーナーにすることもビルメンの大切な役割です。
上記計画は大規模修繕計画や長期修繕計画などと呼ばれており、責任者クラスになるとこういった計画表を作成し、寿命が迫っている設備があればビルオーナーに改修提案などをしています。
ビルオーナーはビルメン会社にビルの設備管理の一切を任せていると言っても過言ではないため、ビルメンテナンス業はビルオーナーとの信頼関係が大事な仕事であるとも言えますね。
ちなみに平社員のビルメンであれば、基本的にビルオーナーと関わることはありません。
※巡回型ビルメンを除く
このように文字だけ見ると難しい業務に見えますが、トラブルなどが発生しな限りはルーチンワークのみで終わる日が多く、落ち着いた就業環境の現場が多いです。
ぶっちゃけ、先輩ビルメンたちもこれら全て理解してる人はいませんので安心してください。10年ビルメンやってる人でも、各種点検が何のために行われているのか理解してない人もいるくらいです笑
私自身もビルメン歴10年ですが、まだまだ知らないこともたくさんあります。
ビルメンの一日の仕事内容
先ほどからルーチンワークと書いてますが、じゃあどんな仕事がルーチンなのか気になると思いますので、楽な現場の平凡な一日のスケジュールを書いていきます。
以下は9:00~18:00の日勤シフト例です。
8:30~ 9:00 | 【出社】 |
作業着に着替える時間もあるため、少し早めに出社しています。 | |
9:00~ 9:10 | 【朝礼】 |
その日に実施する点検作業のことなどをスタッフ同士で話します。 | |
9:10~ 10:00 | 【モニター監視】 |
事務所に設置されている中央監視装置を眺めながらぼーっとします。 何か異常が起きれば対応しますが、基本的に何もありません。 | |
10:00~ 10:30 | 【設備巡回】 |
午前の巡回にいきます。 一人でビル内を巡回し、各設備に備え付けらているメーター(電流計、圧力計など)の数値を点検用紙に記入していきます。 設備から異音、異臭が発生していないかもこの時確認します。 | |
10:30~ 12:00 | 【待機】 |
事務所で待機します。 何かトラブルがあれば対応しますが、暇な現場は本当に何も起きません。 意味が無さそうな時間ですが、何かトラブルが起きた場合は対応しないといけないため待機も重要な仕事です。 モニター監視も交代で行ったりします。 【関連記事】ビルメンの待機時間はこんなことをしています。 | |
12:00~ 13:00 | 【昼食】 |
交代で昼食を取ります。 1人現場でも無い限りは、外にご飯を食べに行くのもOKです。 日勤者が他にもいれば時間をずらして交代でお昼休憩を取ります。 【関連記事】楽すぎるビルメン1人現場を解説します。 | |
13:00~ 14:00 | 【巡回】 |
お昼休憩終了後に、30分くらいかけて午後の巡回をします。 基本的に午前と同じようなルートを回りますが、ビルによっては点検する設備の対象が午前と午後で違ったりします。 | |
14:00~ 16:00 | 【点検】 |
設備の点検をします。 月に1回(または隔月1回)ビル内の設備を詳細に点検・清掃しています。 例えば消防設備の自主点検、ルーフドレンの清掃、分電盤の点検、空調のフィルター清掃など様々なものがあります。 30分くらいで簡単に終わる点検もあれば、1時間以上かけてじっくり行う作業もあります。 危険な高所作業や、電気設備の点検する業務もあるため基本的に二人以上で作業します。 【関連記事】ビルメンの危険な作業4選 | |
16:00~ 18:00 | 【待機】 |
今日のノルマは達成したので、帰宅まで事務所で待機します。 もちろん何かトラブルがあれば対応しますが、暇な現場は何もありません・・・。 この時も一応モニター監視はしてます。 | |
18:00 | 【帰宅】 |
帰宅時間です。 何もトラブルが無ければそのまま定時で帰宅します。 暇な現場では基本的に残業はありません。 |
上記が一般的なビルメンのルーチンワークになります。
上記は日勤のシフト例となっており、宿直(泊り勤務)の場合は18:00で帰宅せずに次の日の朝まで残ることになります。
宿直ってなんや?
宿直は夜勤を含む24時間勤務の事です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
【関連記事】ビルメンの夜勤?宿直について解説します。
なお、宿直を含んだ1日のスケジュールが知りたい方は、以下の商業施設ビルメンの記事をご覧ください。
私が勤務していた商業施設でのリアルな1日のスケジュールを紹介しています。
ちなみに宿直者は基本的に点検業務に参加せずに、中央監視装置の前に座って日誌をまとめたりしていることが多いです。
宿直は体力を消耗するので、なるべく負荷のかからない業務を任されます。
※現場によって違うかもしれませんが、私の現場ではそうでした。
商業施設やホテルなど忙しい現場であれば、トラブル対応が増えるため待機時間は減ってしまいますが、それでも一般的なサラリーマンと比べればノンビリした職場環境が多いです。
また、出世して主任や所長などになるとルーチンワークが減って、パソコンを使ったデスクワーク(報告書作成、見積もり作成)やビルオーナーとの折衝業務が増えます。
当然出世すれば給料は増えますが、上記の業務をすることを嫌がりあえて出世しないビルメンもいます。
私は出世したくないです。
平社員で巡回や設備の点検だけしてる方が気楽でいいです。
ビルメンが遭遇するトラブル
仕事で遭遇するトラブルが気になる方もいると思うので、簡単に説明したいと思います。
楽な仕事を求めてビルメンを目指す方にとって、トラブルの多さが非常に重要になってきます。
ちなみに、ビルメン自身で解決できるトラブルは簡単なものばかりなのでご安心ください。
簡単とは言いましたが、初体験のトラブルは全て難しく感じます。
何事も慣れが大事ですね!
具体的には、トイレの詰まり、電気設備の漏電やショートが発生した際の調査、照明器具の球替え又は器具交換、給排水設備の漏水の簡単な補修、空調機の温度調整、扉など建具の補修など様々なものがあります。
正直トラブルの種類は多すぎて書いてもキリがないです笑
上記トラブルは配属されるビルによって発生頻度が違いますし、そもそもトラブル自体がほとんど起きないビルもあります。
なお、ビルメンが直接修理したりすることを営繕(えいぜん)と呼んだします。
営繕という言葉はビルメン求人の業務内容にも記載されている場合があるので、覚えておくと良いでしょう。
ちなみに、ビルメンでは解決出来ないトラブルは専門業者を手配し修理という流れになります。
この時手配した専門業者の作業を監督するのはビルメンの仕事です。
監督と言ってますが、専門的な知識が無いビルメンに監督が出来るわけもなく、基本的には業者の作業を見てるだけです。
一応、作業写真を撮って後ほどビルオーナー向けの報告書を作ったり、業者が見積もり通りの作業をしているかチェックをしたりはします。
ちなみに、監督業務のことを業者立ち会いなんて言ったりもします。
ビルメン求人の仕事内容に「業者立ち会い」と記載されていたら、この事だと思ってください。
ビルメンを目指す前に知っておいてほしい注意点
ここまでの内容を読んでみてビルメンとして働いてみたいなと思った方は、ビルメンが基本的に請負業務であることを理解しておいてください。
ビルメンは請負業務
例えば、あなたがAビルメン会社へ入社したとします。
ビルメンは請負業務なので、ビルオーナー(ビルの所有者)がAビルメン会社へビルの管理を依頼する契約をして、あなたはAビルメン会社の社員として、ビルオーナーのビルを管理することなります。
しかし、ビルオーナーが「請負金額が安いBビルメン会社へ管理を依頼することになったから、Aビルメン会社とは契約終了にしますね」ということになってしまうと、現場で働くビルメンのあなたは別の物件へ異動、または解雇となってしまいます。
大きなビルメン会社であれば、たくさん管理しているビルを持っているので異動先が豊富ですが、小さなビルメン会社の場合、管理しているビルが少ないため、運が悪いと解雇になってしまう可能性もあります。
一般的な企業の会社員として雇用された場合、その会社に出勤して働くことになりますが、ビルメンの業務はビルを管理することなので、ビルメン会社が請負契約したビルに派遣されて、そのビルを管理していくことがほとんどです。
ここまで話せばわかると思いますが、ビルオーナーはビルメン会社にとってもビルメン本人にとっても、お客様になるわけです。
そのため、ビルオーナーにはものすごい気を使うことになります。
ちなみにビルオーナーは個人オーナーもいれば、会社のような法人の場合もあります。
どちらの場合でもお客様になりますので、それなりの対応をしておかないとクレームになってしまい、不手際が続けば最悪請負契約解除なんてことに発展することも考えられます。
ビルオーナーとの契約解除=ビルメン本人は現場異動or解雇となり、これが請負業務であるビルメンの最大のデメリットかなと私は考えています。
楽な現場に配属されて慣れた頃に契約解除になると最悪です・・。
私も一度契約解除を経験したことがあります・・・。
その時のことは以下の記事で話しています。
【関連記事】私の履歴書を公開します!
なお、さっきから解雇と書いてますが、実際は別のビルに異動になることがほとんどです。
自社ビルメンという働き方
ちなみに、請負契約ではない直接雇用のビルメンというのも存在し、そういったビルメンのことを自社ビルメンと呼びます。
自社ビルメンの場合は、そのビルのオーナーに直接雇用されているので、ビルオーナーはビルメン自身にとって社長のような存在になります。
自社ビルメンは、先ほどあげた請負契約型のビルメンよりも給与等の待遇が良い場合が多いですが、自身がビルオーナーと同じ立場で建物を管理・運営していくことになるので責任は重くなります。
私は請負契約のビルメン、自社ビルメンのどちらも経験しましたが、自社ビルメンのほうが精神的に苦労することが多かったです。
自社ビルメンについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
以下のカテゴリでは自社系の設備管理求人の特集をしています。
結論(こんなビルメン会社を選ぼう)
要は管理物件をたくさん持っている大きなビルメン会社に入社することが大事ということです。
その条件を満たすのが系列系ビルメン会社と呼ばれる会社になります。
以下の記事では系列系ビルメン会社の解説と各ビルメン会社のランク付けをしています。
待遇の良いビルメン会社を目指すのであれば必ずチェックしてください。
個人的には、上位の系列系ビルメン会社に入社して楽な現場に配属されることが一番勝ち組だと思います!
自社ビルメンも悪くないんですけどね・・。
【関連記事】ビルメンで勝ち組になるには【年収だけが全てじゃない】
ビルメンと資格
ビルメンに転職するうえで重要な要素の一つに資格があります。
- 転職しやすくなる(職歴がボロボロでも資格でカバー出来ます)
- 資格手当で月給が増える
- 昇進しやすくなる
年齢が若ければ無資格でも就職は余裕ですが、30歳以上になるといくつか資格を取得してから転職活動をしたほうが内定が出やすくなります。
おススメの資格は、第二種電気工事士、危険物取扱者乙種4類です。
他にも、第三種冷凍機械責任者、2級ボイラー技士という資格もおすすめです。
第二種電気工事士と危険物取扱者乙種4類も含めて、これら4つの資格はビルメン4点セットなんて呼ばれています。
30歳以上でビルメンになろうとしてる方は、最低でも第二種電気工事士を取得してから就活をしてみてください。
現在ニートや無職でも内定が出る確率が上がるはずです。
ビルメン資格に関する情報を網羅した記事を執筆しましたので下記のリンクからご覧ください。
ボリュームがあるので読むのが大変ですが・・・。
まとめ(ビルメンの業務内容は幅広いが・・・)
長々と書きましたので複雑でめんどくさいなと感じたかもしれません。
既にお気づきだと思いますが、ビルメンの業務内容は多岐に渡ります。
しかし、個々の業務内容自体は簡単なものばかりなので安心してください!
ビルメンは便利屋さんみたいなものなので、様々な業務を広く浅くできれば十分だと私は思っています。(この広く浅くというのはとても重要です)
例えば、設備の点検以外にも、パソコンを使った簡単なデスクワークや害虫駆除もします。
なので、「あれは嫌だ」、「これは嫌だ」と仕事を選ぶ人には向かない仕事かもしれません。
それでもビルメンは専門的な知識がほとんど必要ないので、何歳からでも未経験で挑戦できる良い仕事だと思います。
現に50歳を超えてから新人ビルメンとして入社してくる方も大勢いいますよ!
【関連記事】中高年未経験者でもビルメンに転職出来るの?
ビルメンに興味が湧いた方は、まずは資格の取得から挑戦してみてくださいね。
未経験入社が不安と言う方は、ビル管理の本を購入して予習しておくと良いかもしれません。
ビルに設置してある各設備には必ず意味がありますので、調べてみると結構面白いです。
以下の本はイラスト付きで分かりやすいと思います。
こういった本などでビルの設備の事を予習してから働き始めれば、勉強熱心だと先輩ビルメンからも褒められ職場にも早く馴染めることでしょう。
そして、職場に早く馴染むことが出来れば業務に余裕が生まれますので、仕事をサボれる時間が増えます笑
サボると言っても資格の勉強するなど時間を有効活用することが大切ですけどね。
そうすれば、より楽しいビルメンライフが送れますよ!
以下の転職サイトはビルメンの求人探しにおススメです。
私もビルメンの転職活動で大いに利用したサイトです。
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