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「ビルメンはセーフティネット」に騙されるな!資格だけを取っても無職・ニートが報われない現実

「ビルメンは無職やニートのセーフティネット」

ネットやSNSで、このような言葉を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。長期ニートや無職からでも就職しやすく、正社員雇用のハードルも低いことから、生活を立て直す手段としてビルメン(設備管理)を勧める発信は一定数存在します。

私自身も、過去に長期ニートからビルメンとして社会復帰した経験があります。また、私の父も40代中盤まで自営業をやった後に職を転々としていましたが、最終的にビルメンとして落ち着きました。そのため、無職やニートの方がビルメンを目指すこと自体には大賛成ですし、実際にビルメンとして社会復帰することは決して難しくありません。

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しかし、そんなビルメンになれない人は一定数存在します。

今回は、SNSで見かけたある投稿をきっかけに、なぜ資格があっても採用されないのか、そして業界の実態と目指すべき方向性について深掘りしていきます。

目次

Xで見かけた「ビルメン布教」への違和感

先日、X(旧Twitter)でとある無職の方の投稿を見かけました。

要約すると、「ビルメン業界の人間が無職に対してやたらとビルメンを布教することへの違和感」を綴った内容です。

普段は自分のことを卑下している人が多いのに、布教するときだけ生き生きと語り出して気持ち悪い、しかも布教している側の多くは電験三種などの難関資格を持っていて、無職とは程遠い立場から語っている……といった趣旨のものでした。

この方の過去の投稿を拝見すると、現在は30代で、難関大学を卒業後に正社員の経験はなく、メンタルの疾患を抱えており、これまでの人生は決して平坦なものではなかったことが伝わってきました。

そして、ポリテク(職業訓練)で電験三種を取得したものの、ビルメンの就職活動はなかなかうまくいっていないようでした。

ポリテク(職業訓練)に通うこと自体は非常に有効な手段ですが、「通って資格を取れば就職までお膳立てしてもらえる」と受け身になってしまうと危険です。
訓練校はあくまで「知識を学ぶ場所」であり、採用を勝ち取るのは自分自身の姿勢です。訓練校での面接指導や講師からのアドバイスを素直に受け入れ、人との接し方をリハビリする場としても活用する意識が大切になります。

ヘタ・レイ

ポリテクに夢を見過ぎている人が多い気がしますね・・。
結局自分が頑張らないと就職はできません!

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なぜ無職にビルメンを『布教』したがるのか

ちなみに、なぜネット上ではこれほど「無職はビルメンになれ」という布教(おすすめ)が溢れているのでしょうか。理由は主に2つあります。

  1. 「自分自身が救われた成功体験」があるから 実際に職歴がない状態や人生詰みかけた状態からビルメンになり、人並みの生活を取り戻せた人が多いため、親切心(あるいは自慢)から勧めたい気持ちが強くなる。
  2. 「他の厳しい業界に比べて楽だった」というギャップ 過去にブラック企業やノルマのキツい営業などを経験してきた人からすると、ビルメンの仕事量は精神的にかなり楽に感じられるため、過剰に「楽な神職」として発信しがちになる。

発信している側には悪気がないケースも多いのですが、彼らは「一定の社会的マナーを身につけている」「たまたま運良く良い現場に入れた」という前提があることを忘れて発信してしまっています。その「発信側の前提」と「受取り側の現実」の差が、違和感やミスマッチを生んでいるのです。

「誰でもできる仕事」と「誰でも採用される仕事」は違う

ビルメンという仕事は、世間一般で「誰でもできる仕事」と言われます。これは事実だと思います。実際に長期ニートや職歴が全くない状態からビルメンとして採用され、キャリアアップしている方もたくさんいます。

ただし、「誰でもできる」ことと「誰でも採用される」ことは、まったく別の話です。

会社は慈善事業でも福祉事業でもありません。人を雇うのは、その人に働いてもらって利益を出すためです。当然ながら、やる気がない人、会社にとってメリットがない、あるいは害になりそうな人を、あえて採用する会社はありません。

これは学歴や資格の有無とは関係のない話です。大卒で資格をたくさん持っていても、社会性や協調性がなく、仕事に前向きでない人を雇いたいとは思わないはずです。

面接官が抱く「不安」を払拭できるか

例えば、職歴がない二人の求職者が、保有資格を評価されて面接に呼ばれたとします。

・一人は、やる気があり、協調性もありそうな受け答えをする。

・もう一人は、「年下の先輩の指示をちゃんと聞けますか」「気難しい人ともうまくやっていけますか」というネガティブな質問に対し、難色を示すような答え方をする。

この場合、後者が採用されるのは難しいでしょう。

これまでビルメンを志望する方から転職相談を受けてきましたが、実際に後者のような受け答えをしてしまう人はいます。本人に悪気はないのでしょうが、「この受け答えが面接官にマイナスの印象を与えてしまうかもしれない」という感覚が欠如してしまっているのです。

学歴や資格の有無よりも、「この人を採用しても現場でトラブルを起こさないか」という不安を面接官に抱かせないことの方が遥かに重要です。

面接官(特に現場の所長や採用担当者)が未経験者を採る際に最も恐れているのは、「現場の人間関係や雰囲気を壊されること」です。
ビルメンの現場は、狭い防災センターなどで数人〜十数人のチームで長時間過ごすことが多く、夜勤(宿直)では2〜3人で一晩を共にすることもあります。
そのため、「技術や知識があるか」よりも「一緒にシフトに入ってストレスがないか」「素直に指示を聞いてくれるか」が最重要視されます。どれだけ難関資格を持っていても、コミュニケーションに強い不安がある人は「現場をかき乱すリスク」と判断されてしまうのが現実です。

無職・ブランク期間を聞かれたときのポイント

面接で空白期間や過去の経歴について突っ込まれた際、絶対にやってはいけないのは「反発すること」や「悲劇のヒーローになること」です。

  • NGな例:「〇〇の病気だったから仕方なかった」「ネットで誰でもなれると書いてあったから来た」
  • OKな例:「過去に体調を崩してブランクを作ってしまいましたが、現在は生活リズムも整い、働く準備ができています。ビル管理に必要な資格(危険物や電工)を取り、一からやり直したいと考えて応募しました」

大切なのは「過去の言い訳」ではなく「現在の状態と今後の意欲」を素直に示すことです。面接官も過去を完璧に責めたいわけではなく、「いまちゃんと働ける状態にあるか」を確認したいだけなのです。

note(ノート)
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資格取得だけが「努力」ではない

病気や特性があること自体は仕方のないことです。誰も好きでそうなったわけではありません。

とくに精神的な疾患は完治が難しく、しかも外見上は病気であることもわかりづらいため、相手に伝わりにくい厄介な病気だと思います。

しかし、どんな事情があろうと、自ら改善しようとする「努力」まで手放していい理由にはなりません。

ここで言う努力とは、資格試験の勉強だけではありません。

  • 仕事を覚える努力
  • 同僚や上司と円滑な関係を築く努力
  • 面接での適切な振る舞いを身につける努力

これらもすべて立派な努力です。

正直なところ、年下の先輩から指示を受けたり、気難しい人と付き合っていったりするのは誰だって嫌なものです。私だって気難しい人とは働きたくありません。

しかし、会社としてはその気難しい人にも現場を回すためにいてもらわなければならず、新人はそこに合わせていくしかないのが現実です。

面接官は「万が一そういう現場に配属されても、我慢して協調性を保てるか」を見ています。資格の勉強だけを「努力」と捉えてしまい、対人面や姿勢の努力を怠ってしまうのは、視野が狭くなっていると言わざるを得ません。

ビルメンの面接対策については以下の記事を参考にしてください。

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ビルメンはサービス業「必要なのはコミュ力」

協調性や社会性が低い方に共通する特徴として極度のコミュ障が挙げられます。しかし、ビルメンはサービス業なのでコミュニケーション能力が必要です。

「コミュニケーション能力が必要」と言うと、「自分は人と話すのが苦手だから無理だ」と思ってしまうかもしれません。

ですが、ビルメン現場で求められるコミュ力は、営業マンのような巧みなトークではありません。 求められているのは以下の3つだけです。

  • 挨拶と返事がしっかりできること(呼ばれたら返事をする、朝の挨拶をする)
  • 報告・連絡・相談(ホウレンソウ)ができること(分からないことを勝手に判断せず、「分かりません」と言えること)
  • 指示されたことを素直にやること(自分のプライドを捨てて耳を傾けること)

これさえできれば、人見知りでも口下手でも現場では十分やっていけます。面接官が見ているのも「喋りの巧みさ」ではなく、「最低限のやり取りが素直にできるか」という点だけです。

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バズりを狙おうとするネット情報に注意

なぜ、こうしたギャップが生まれてしまうのでしょうか。

その原因の一つとして、ネット上に「無職ニートはビルメンになるべき!」といった、煽り気味な発信が多いことがあると思います。

こうした発信は「誰でもなれる」という良い部分ばかりを強調し、「会社にも選ぶ権利がある」という当たり前の現実を伝えていません。

特にXなどの短文メディアでは、バズらせることを優先した結果、実態からズレた情報だけが独り歩きしやすい傾向があります。

その結果、「資格さえ取れば自分も救われる」と思い込んでしまう人が出てきてしまうのです。

まとめ:これからビルメンを目指す方へ

無職やニートの方がビルメンを目指すこと自体は、まったく問題ありません。

しっかり面接対策を行い、仕事への前向きな姿勢を見せることができれば、資格や職歴の有無に関係なく雇ってくれる会社は必ずあります。

ただし、「誰でもなれる」には「人付き合いに関する最低限の努力ができること」という条件がつくことを忘れないでください。

最後に、これから就職を目指す方へアドバイスを2つお伝えします。

1. 最初から難関資格を目指さない

いきなり電験三種のような取得に時間がかかる難関資格に挑戦するのはおすすめしません。万が一、資格を取った後に適性がなかったと分かった場合、費やした時間とエネルギーのダメージが大きすぎるからです。

まずは「危険物取扱者乙種4類(乙4)」や「第二種電気工事士」程度の資格からスタートしてください。この2つがあれば、未経験からのビルメン就職には十分です。

また、未経験でいきなり電験三種などの難関資格だけを取得してしまうと、「プライドが高くて使いづらそう」「希望年収や待遇のミスマッチが起きやすい」と面接官に警戒されてしまう逆効果すらあります。

資格の難易度が高ければ高いほど、「これだけ勉強したのだから良い条件で雇われるはずだ」という意識が無意識に出てしまい、現場での泥臭い作業(トイレ詰まりの処理や電球交換など)への姿勢を疑われる原因にもなります。

まずは乙4や2種電工で「やる気と基礎」を示し、採用されて実務経験を積みながら上位資格を目指すのが、最も安全で確実なルートです。

ヘタ・レイ

一番ベストなのは、経験年数に応じて資格を増やしていくことです。
【関連記事】ビルメンに必要な資格一覧

2. 他の選択肢も視野に入れる

長期間無職だった方であれば、いきなりビルメンを目指すのではなく、まずはアルバイトなどハードルの低い仕事から始めて社会復帰のリハビリをする方が、結果として本人のためになる場合もあります。ビルメン以外にも仕事は世の中にたくさんあります。

ネットの極端な情報に踊らされることなく、ご自身の適性に合った道をじっくり探していってください。

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採用された後に待ち受ける「最初の壁」

運良く採用されたとしても、無職期間が長かった人には入社後に「最初の壁」がやってきます。

それは「年下の先輩からの指導」と「ビルメン特有の泥臭い雑用」です。

現場によっては、20代の若い先輩からタメ口で指示されたり、時には小言を言われたりすることもあります。

また、日常業務にはエアコンのフィルター清掃や蛍光灯交換だけでなく、トイレの詰まり対応といった作業も当然含まれます。

ここでプライドやネガティブな感情を出してしまうと、せっかく採用されたのに現場で浮いてしまい、居心地が悪くなってしまいます。「最初は下積み」「お金をもらいながらリハビリしている」くらいの割り切りと素直さを持つことが、長く続けるための最大のコツです。

ヘタ・レイ

業務に慣れてくるとパソコンを使った資料作成なども担当するようになります。とにかくビルメンの業務は多岐に渡ります。

おまけ「ビルメン以外のセーフティネット職種」

もしビルメンの面接がうまくいかない場合や、対人面での不安が大きすぎる場合は、視野を広げて他の選択肢を検討するのも手です。

  • 清掃スタッフ:ビルメン以上に黙々と作業することが多く、対人ストレスが少ない。
  • 警備員(施設警備):ビルメンと似た環境だが、設備知識や技術を求められない分、ハードルが低い。
  • 工場・倉庫の軽作業:単発や派遣からスタートしやすく、働く体力とリズムを戻すリハビリに最適。

「ビルメン一択」と自分を追い詰めてしまうと、不採用が続いたときにメンタルが持ちません。「まずは社会復帰の選択肢の一つ」として柔軟に捉えることが大切です。

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