ビルメン(設備管理)の仕事内容。ビルメン1日のスケジュールなど紹介します!

2022年7月18日

この記事では一般的なビルメンテナンス(設備管理)の仕事内容を解説します。

未経験者の方が見てもわかりやすいように、簡単に解説していきますので興味がある方は最後まで見ていってくださいね。

キヨシ

ビルメンって何してるのか謎だよね。
でも、お前にビルメンの何がわかるんや?

ヘタ・レイ

確かに謎ですよね。普通に生活してたらビルメンの姿すら見たことない人も多いんじゃないかな?
私は業界歴10年の中堅ビルメンです!
何社か経験してるので業界の事には詳しいですよ。
登録者3500人くらいのビルメン専門のYouTubeチャンネルも運営しております。

YouTubeに動画を上げていますので、記事を読むのが面倒な方は動画を視聴してもOKです。
(※動画の内容は最新ではない可能性もあるので、本記事と照らし合わせながら視聴することをお勧めします)

動画でも解説してます!(一部情報が最新ではない可能性もあります)
この記事はこんな人におすすめ
  • ビルメンに興味あるけど、具体的に何をする仕事なのか知りたい
  • 無職・ニートでやりたい仕事が見つからない

ビルメンとは(設備管理と何が違うの?)

ビルメンとは、ビルメンテナンスの略称です。

ビルメン以外に、ビル管理と呼ばれたりもします。

私は自分の職業を聞かれたときなんかは、ビルメンよりはビル管理という言葉を用いて説明することが多いです。

ヘタ・レイ

契約書とかで、自分の職業を記入するときはビル管理と書いてますね笑

ちなみに、ビル以外にも病院、ホテル、工場などを管理している場合もあり、この場合は、病院ビルメン、ホテルビルメン、工場ビルメンのように管理している建物の種類の名称を先頭につけて呼んでいます。

ビルメンの業務内容

ビルメンの業務は、建物が正常に利用出来るように維持・管理をしていくことです。

維持・管理なんて聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、基本的には決められた点検項目に沿って設備の点検をしていくだけなので、ルーチンワークがメインとなります。
※点検する設備にはどのような物があるのか後ほど説明します。

ヘタ・レイ

一般企業でサラリーマンをやってた人がビルメンに転職してくると、仕事内容が単調過ぎて物足りなくなってしまうようです。

ちなみに、維持・管理業務には、日々の清掃設備の点検や修理建物の保安などが該当し仕事内容は多岐にわたります。

上記のお仕事は、求人ではそれぞれ「清掃」、「設備管理」、「警備」などの職業として募集されています。

ただし、我々の業界でビルメンと言えば、警備や清掃は含めずに設備管理のことを指す場合がほとんどです。
※以下、ビルメン=設備管理ということで話をしていきます。

さて、本題のビルメンの業務内容について説明をしていきます。

ビルメンの業務は先ほど説明したとおり、設備の点検や修理になります。

設備の代表例

カテゴリ別に代表的なものをご紹介します。

この他に建物そのものも点検対象になります。天井、床、柱、壁、扉などなど。

ビルメンは上記設備の管理・運転監視・定期点検を行い、異常が発生した場合の一時対応を行っています。

一時対応で復旧が出来ない場合は、専門業者を手配し完全復旧まで継続して対応をしていきます。

キヨシ

ほえー、すごいね。
でも何でこんなことするの?

それぞれの業務の意味

運転監視:設備が正常に動いているか目視で確認し、ビルの利用者に迷惑がかからないようにすることが目的。
定期点検:点検表にそって設備を点検し、怪しい箇所があれば修理等をすることで設備トラブルを未然に防止することが目的。

また、ビルでは法令で定められた定期点検を実施し行政へ報告する義務があるため、それらの専門的な点検をする専門業者を取りまとめ、報告書を行政へ提出することもビルメンの仕事になります。

法令で定められた点検とは

法令で定められた点検には以下のようなものがあります。
建物用途や規模によって、これら以外の点検が追加される場合もあります。
基本的に専門業者が行うため、ビルメンが自らやることはありません。

・消防設備点検(消防法)

・防火設備点検(建築基準法)

・貯水槽清掃(水道法)

・排水槽清掃(建築物衛生法)

・飲料水水質検査(ビル管理法)

・害虫・害獣防除(ビル管理法)※ゴキブリとかネズミが該当します

・自家用電気工作物点検(電気事業法)

・建築設備定期検査(建築基準法)

・特定建築物定期調査(建築基準法)

・昇降機等定期検査(建築基準法)※昇降機とはエレベーター、エスカレーターのことです

ヘタ・レイ

もし、これまで紹介してきた業務をビルメンがやらなければ、ビルの所有者、すなわちビルのオーナーが自らこれらの仕事をしなければいけません。
こういった地味だけど面倒な業務をビルオーナーの代わりに請け負っているのがビルメンテナンス会社なのです。

また、各設備には耐用年数(寿命)がありますので、寿命によって各設備が壊れる前に交換する計画を立て、交換の提案をビルオーナーにすることもビルメンの大切な役割です。

上記計画は、大規模修繕計画、長期修繕計画などと呼ばれており、責任者クラスになるとこういった計画表を作ったりします。

このように文字だけ見ると難しい業務に見えますが、トラブルなどが発生しな限りはルーチンワークのみで終わる日が多く、落ち着いた就業環境の現場が多いです。

ヘタ・レイ

ぶっちゃけ、先輩ビルメンたちもこれら全て理解してる人はいませんので安心してください。10年ビルメンやってる人でも、各種点検が何のために行われているのか理解してない人もいるくらいです笑
私自身もビルメン歴10年ですが、まだまだ知らないこともたくさんあります。

ビルメンの一日の業務内容(ルーチンワークです)

先ほどからルーチンワークと書いてますが、じゃあどんな仕事がルーチンなのか気になると思いますので、楽な現場の平凡な一日のスケジュールを書いていきます。

以下は9:00~18:00の日勤シフト例です。

8:30~9:00出社。
着替える時間もあるため、少し早めに出社します。
9:00~9:10朝礼。
その日やることなどをスタッフ同士で話します。
9:10~10:00監視。
事務所に設置されている中央監視装置を眺めながらぼーっとします。何か異常が起きていれば対応しますが、基本的に何もありません。
10:00~10:30巡回。
午前の巡回にいきます。一人でビル内を巡回し、各設備に備え付けらているメーター(電流計圧力計など)の数値を点検用紙に記入していきます。設備から異音、異臭が発生していないかもこの時確認します。
10:30~
12:00
待機。
事務所で待機します。何かトラブルがあれば対応しますが、暇な現場は本当に何も起きません。一見意味が無さそうな時間ですが、何かトラブルが起きた場合は対応しないといけないため待機も重要な仕事です。
ビルメンの待機時間はこんなことをしています。
12:00~13:00昼食。
お昼休憩です。日勤者が他にもいれば時間をずらして交代でお昼休憩を取ります。
13:00~14:00巡回。
お昼休憩終了後に、30分くらいかけて午後の巡回をします。
基本的に午前と同じようなルートを回りますが、ビルによっては点検する設備の対象が午前と午後で違ったりします。
14:00~16:00点検。
設備の点検をします。月に1回(または隔月1回)ビル内の設備を詳細に点検・清掃しています。
例えば消防設備の自主点検、ルーフドレンの清掃、分電盤の点検、空調のフィルター清掃など様々なものがあります。
30分くらいで簡単に終わる点検もあれば、1時間以上かけてじっくり行う作業もあります。
高所作業や、電気設備の点検する業務もあるため基本的に二人以上で作業します。
16:00~
18:00
待機。
今日のノルマは達成したので、帰宅まで事務所で待機します。
もちろん何かトラブルがあれば対応します。
18:00帰宅。
何もトラブルが無ければそのまま帰宅します。暇な現場では基本的に残業はありません。

上記が一般的なビルメンのルーチンワークになります。

上記は日勤のシフト例となっており、宿直(泊り勤務)の場合は18:00で帰宅せずに次の日の朝まで残ることになります。

宿直シフトのスケジュールが知りたい方は、以下の商業施設ビルメンの記事をご覧ください。

ちなみに宿直者は基本的に点検業務に参加せずに、中央監視装置の前に座って日誌をまとめたりしていることが多いです。

ヘタ・レイ

宿直は体力を消耗するので、なるべく負荷のかからない業務を任されます。
※現場によって違うかもしれませんが、私の現場ではそうでした。

商業施設やホテルなど忙しい現場であれば、トラブル対応が増えるため待機時間は減ってしまいますが、それでも一般的なサラリーマンと比べればノンビリした職場環境が多いです。

また、出世して主任や所長などになるとルーチンワークが減って、パソコンを使ったデスクワーク(報告書作成、見積もり作成)やビルオーナーとの折衝業務が増えます。

当然出世すれば給料は増えますが、上記の業務をすることを嫌がりあえて出世しないビルメンもいます。

ヘタ・レイ

私は出世したくないです。
平社員で巡回点検だけしてる方が気楽でいいです。

ビルメンが業務中に遭遇するトラブル

仕事で遭遇するトラブルが気になる方もいると思うので、簡単に説明したいと思います。

楽な仕事を求めてビルメンを目指す方にとって、トラブルの重さが非常に重要になってきます。

ちなみに、ビルメン自身で解決できるトラブルは簡単なものばかりなのでご安心ください。

ヘタ・レイ

簡単とは言いましたが、初体験のトラブルは全て難しく感じます。
何事も慣れが大事ですね!

具体的には、トイレの詰まり、電気設備で漏電やショートが発生した際の調査、照明器具の球替え又は器具交換、給排水設備の漏水の簡単な補修、空調機の温度調整、扉など建具の補修など様々なものがあります。

正直トラブルの種類は多すぎて書いてもキリがないです笑

上記トラブルはビルによって発生頻度が違いますし、そもそもトラブル自体がほとんど起きないビルもあります。

なお、ビルメンが直接修理したりすることを営繕(えいぜん)と呼んだします。

営繕という言葉はビルメン求人の業務内容にも記載されている場合があるので、覚えておくと良いでしょう。

ちなみに、ビルメンでは解決出来ないトラブルは専門業者を手配し修理という流れになります。この時手配した専門業者の作業を監督するのはビルメンの仕事です。

ヘタ・レイ

監督と言っても、ただ業者の作業を見てるだけなんですけどね笑
一応、作業写真を撮って後ほど報告書を作ったり、業者が見積もり通りの作業をしているかチェックをしたりはします。
ちなみに、監督業務のことを業者立ち会いなんて言ったりもします。
ビルメン求人の仕事内容に「業者立ち会い」と記載されていたら、この事だと思ってください。

ビルメンを目指す前に知っておいてほしい注意点

ここまでの内容を読んでみてビルメンとして働いてみたいなと思った方は、ビルメンが基本的に請負業務であることを理解しておいてください。

ビルメンは請負業務

例えば、あなたがAビルメン会社へ入社したとします。

請負業務なので、ビルオーナー(ビルの所有者 個人または法人)がAビルメン会社へビルの管理を依頼する契約をして、あなたはAビルメン会社の社員として、ビルオーナーのビルを管理することなります。

しかし、ビルオーナーが「金額が安いBビルメン会社へ管理を依頼することになったから、Aビルメン会社とは契約終了にしますね」ということになってしまうと、現場で働くビルメンのあなたは別の物件へ異動、または解雇となってしまいます。

ヘタ・レイ

大きなビルメン会社であれば、たくさん管理しているビルを持っているので異動先が豊富ですが、小さなビルメン会社の場合、管理しているビルが少ないため、運が悪いと解雇になってしまう可能性もあります。

一般的な企業の会社員として雇用された場合、その会社に出勤し働くことになることが普通ですが、ビルメンの業務はビルを管理することなので、ビルメン会社が請負契約したビルオーナーの所有しているビルに派遣され、そのビルを管理していくことがほとんどです。

ここまで話せばわかると思いますが、ビルオーナーはビルメン会社にとってもビルメン本人にとっても、お客様になるわけですので、ビルオーナーにはものすごい気を使うことになります。

ちなみに、ビルオーナーは個人もあれば会社のような法人の場合もあります。

どちらの場合でもお客様になりますので、それなりの対応をしておかないとクレームになってしまい、不手際が続けば最悪請負契約解除なんてことに発展することも考えられます。

ビルオーナーとの契約解除=ビルメン本人は現場異動or解雇となり、これが請負業務であるビルメンの最大のデメリットかなと私は考えています。

ヘタ・レイ

楽な現場に配属されて慣れた頃に契約解除になると最悪です・・。
ちなみに、さっきから解雇解雇と書いてますが、実際は現場異動になることがほとんどです。
稀に新しく契約した管理会社に引き抜かれる場合もあります。

自社ビルメンという働き方

ちなみに、請負契約ではない直接雇用のビルメンというのも存在し、そういったビルメンのことを自社ビルメンと呼びます。

自社ビルメンの場合は、そのビルオーナーに直接雇用されているので、ビルオーナーはビルメン自身にとって社長のような存在になります。

自社ビルメンは、先ほどあげた請負契約型のビルメンよりも給与等の待遇が良い場合が多いですが、自身がビルオーナーと同じ立場で建物を管理、運営していくことになるので責任は重くなります。

私は請負契約のビルメン、自社ビルメンのどちらも経験しましたが、自社ビルメンのほうが精神的に苦労することが多かったです。

結論(こんなビルメン会社を選ぼう)

要は管理物件をたくさん持っている大きなビルメン会社に入社することが大事ということです。

その条件を満たすのが系列系ビルメン会社と呼ばれる会社になります。

以下の記事では系列系ビルメン会社の解説と各ビルメン会社のランク付けをしています。

待遇の良いビルメン会社を目指すのであれば必ずチェックしてください。

ビルメンと資格

ビルメンに転職するうえで重要な要素の一つに資格があります。

資格による恩恵
  • 内定が出やすくなる(職歴がボロボロでも資格でカバー出来ます)
  • 資格手当で月給が増える
  • 昇進しやすくなる

年齢が若ければ無資格でも就職は余裕ですが、30歳以上になるといくつか資格を取得してから転職活動をしたほうが内定が出やすくなります。

おススメの資格は、第二種電気工事士、危険物取扱者乙種4類です。

ヘタ・レイ

他にも、第三種冷凍機械責任者、2級ボイラー技士という資格もおすすめです。
電気工事士と危険物取扱者も含めて、これら4つの資格はビルメン4点セットなんて呼ばれています。

30歳以上でビルメンになろうとしてる方は、最低でもこの二つの資格を取得してから就活をしてみてください。

現在ニートや無職でも内定が出る確率が上がるはずです。

ビルメン資格に関する情報を網羅した記事を執筆しましたので下記のリンクからご覧ください。ボリュームがあるので読むのが大変ですが・・・。

まとめ(ビルメンの業務内容は幅広いが・・・)

長々と書きましたので複雑でめんどくさいなと感じたかもしれません。

また、業務内容も多岐に渡ります。

しかし、個々の業務内容自体は簡単なものばかりなので安心してください!

ビルメンは便利屋さんみたいなものなので、様々な業務を広く浅くできれば十分だと私は思っています。(この広く浅くというのは重要です)

例えば、設備の点検以外にも、パソコンを使った簡単なデスクワークや、昆虫退治もします。

なので、あれは嫌だ、これは嫌だと仕事を選ぶ人には向かない仕事かもしれません。

でも、そんなに深い知識は求められないので、何歳からでも未経験で挑戦できる良い仕事だと思います。

ヘタ・レイ

現に50歳を超えてから新人ビルメンとして入社してくる方も大勢いいますよ!

興味がある方は是非資格の取得から挑戦してみてくださいね。

もし、心配性の方で、未経験でこれから入社するため知識的に不安ということであれば、ビル管理の本を購入して予習しておくと良いかもしれません。

ビル設置してある各設備は必ず設置する意味がありますので、調べてみると結構面白いです。

下記の本はイラスト付きで分かりやすいと思います。

上記の本などでビルの設備の事を予習してから働き始めれば、勉強熱心だと先輩ビルメンからも褒められ職場にも早く馴染めることでしょう。

そして、職場に早く馴染むことが出来れば業務に余裕が生まれますので、仕事をサボれる時間が増えます笑

ヘタ・レイ

サボると言っても資格の勉強するなど時間を有効活用することが大切ですけどね。

そうすれば、より楽しいビルメンライフが送れますので、是非予習をしてから入社してみてほしいです。

以下の転職サイトはビルメンの求人探しにおススメです。私も職探しで大いに利用しましたよ!

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Posted by hetarei