消防設備士「人気」「難易度」ランキング!取得順番はこれで決まり!
消防設備士ってたくさん種類があるけど一番人気があるのはどれなの?
消防設備士は1~7類まであって、しかも甲種・乙種と分かれているため、未経験者はどれを取ればよいか迷いますよね。
この記事では、令和5年4月~令和5年12月にかけて実施された消防設備士試験の結果から、各種消防設備士の「人気」と「難易度」をランキング形式で発表したいと思います!
- 消防設備士1~7類で出来ること
- 各類の人気と難易度
- 消防設備士を取得するおススメの順番
消防設備士の種類を解説
ランキングの紹介の前に、消防設備士資格の分類を紹介しておきます。
消防設備士の資格は、扱える消防用設備の種類に応じて以下のような分類があります。
分類 | 乙種 | 甲種 | 扱える消防設備 |
1類 | ● | ● | 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備 |
2類 | ● | ● | 泡消火設備 |
3類 | ● | ● | 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 |
4類 | ● | ● | 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備 |
5類 | ● | ● | 金属製避難はしご、救助袋、緩降機 |
6類 | ● | – | 消火器 |
7類 | ● | – | 漏電火災警報器 |
特類 | – | ● | 特殊消防用設備 |
1~5類までは乙種と甲種があり、6,7類には乙種しかありません。
乙種と甲種の違いは消防設備の設置工事が出来るかどうかで、工事が出来るのは甲種のみとなります。
乙種で出来ること | 点検・整備 |
甲種で出来ること | 点検・整備・工事 |
例えば、消防設備士の乙種4類を持っている場合、自動火災報知設備の「点検や整備」が出来ますが、甲種4類を持っていれば、自動火災報知設備の「点検や整備」に加え「設置工事」まで出来るということです。
甲種は乙種の完全上位となる資格ってことですね!
また、1~7類以外に特類というものもあり、特類では「大空間自然給排煙設備」などマイナーな設備を扱うことが出来るようになります。
★消防設備士資格の受験方法や、各類の詳しい情報を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
消防設備士試験「人気」ランキング!【受験者数を使って分析】
それでは各種消防設備士試験の人気ランキングから紹介したいと思います。
なお、本ランキングは消防試験研究センターで公表されている令和5年4月~令和5年12月の受験者数を合算した数値を利用して作成しています。
順位 | 種別 | 受験者数 |
1位 | 乙種6類 | 33,019人 |
2位 | 甲種4類 | 25,191人 |
3位 | 甲種1類 | 14,866人 |
4位 | 乙種4類 | 10,954人 |
5位 | 乙種7類 | 7,656人 |
6位 | 甲種3類 | 5,352人 |
7位 | 甲種2類 | 5,224人 |
8位 | 甲種5類 | 5,127人 |
9位 | 乙種1類 | 2,675人 |
10位 | 特類 | 1,575人 |
11位 | 乙種3類 | 1,444人 |
12位 | 乙種5類 | 1,440人 |
13位 | 乙種2類 | 892人 |
人気ランキング1位は消防設備士乙種6類【受験者数は33,019人】
人気ランキング1位は消火器の点検が出来る消防設備士乙種6類で、受験者は33,019人でした。
消火器は身近な存在で、消防設備士業務での需要も高いため納得のいく結果だと思います。
ちなみに、私が働いている現場でも乙種6類しか持っていない人が結構います。
とりあえず乙種6類だけ取得しておけば、消防設備点検資格者というチート資格が受講出来るので、それを目的にしている人も結構いるのではないでしょうか。
【関連記事】消防設備点検資格者とは?消防設備士と何が違うの?取得方法やメリットを解説します!
人気ランキング2位と3位は意外にも甲種消防設備士【受験者数は1万人超え】
人気ランキング2位と3位は、意外にも甲種の資格でした。
このランキングを集計する前は、試験の問題数が少ない乙種が上位を占めるかと思っていたのですが、より実用性が高い甲種のほうが上位になるという結果になりました。
ちなみに2位が自動火災報知設備の甲種4類で、3位は消火栓やスプリンクラーの甲種1類です。
どちらもマンションやビルでの設置例が多く、消防設備士業界での需要はかなり高い資格です。
人気ランキング5位は消防設備士乙種7類
人気ランキング5位は消防設備士乙種7類でした。
7類で点検可能となる漏電火災警報器は、設置されている建物が極端に少ないです。
そのため、消防設備士業務での需要はかなり低いのですが、試験範囲が狭く勉強の負荷が少ない点が人気の理由であると思われます。
また、第二種電気工事士を持っていれば試験問題の一部を免除出来るため、第二種電気工事士を取ったばかりの人が資格を増やすために取得するケースもあるようです。
とりあえず4類、6類、7類のどれかを取るビルメンが多い気がしますね。
ちなみに、私が初めて取得した消防設備士は7類です!
人気ランキング最下位は消防設備士乙種2類【受験者数わずか892人】
ランキング最下位は、泡消火設備の乙種2類で受験者数は892人でした。
泡消火設備自体は、使われている建物を結構見かけますので、消防設備士業務での需要が低いというわけではありません。
むしろ乙種2類を取るくらいなら、甲種2類を取得する人が多いというのが理由だと思います。
そのため、甲種2類はランキング7位で5,224人でした。
消防設備士甲種・乙種を合算した人気ランキングだと最下位は?
参考までに消防設備士乙種と甲種を合算した受験者数を集計してランキングにしました。
順位 | 種別 | 受験者数 |
1位 | 甲・乙4類 | 36,145人 |
2位 | 乙6類 | 33,019人 |
3位 | 甲・乙1類 | 17,541人 |
4位 | 乙7類 | 7,656人 |
5位 | 甲・乙3類 | 6,796人 |
6位 | 甲・乙5類 | 6,567人 |
7位 | 甲・乙2類 | 6,116人 |
8位 | 特類 | 1,575人 |
甲種と乙種を合算した場合、1位は消防設備士4類となり、2位が6類という結果になりました。
なお、先ほど最下位であった2類は7位となり、最下位はマイナーな特類という結果でした。
正直なところ、2類、3類、5類、7類の受験者数は僅差でしかないですね。
消防設備士試験「難易度」ランキング!【合格率を使って分析】
次に消防設備士試験の難易度ランキングを紹介します。
こちらのランキングも消防試験研究センターの令和5年4月~令和5年12月の試験結果を元に作成しています。
なお、このランキングは合格率の低い順から並べているだけで、試験問題の難易度を検証しているわけではありません。
当然ですが甲種は乙種よりも問題数が多く難しくなります。
また、元々その人が得意な分野であれば、ランキングが高い種別でも簡単に感じる可能性もあります。
それを理解した上でご覧いただければ幸いです。
順位 | 種別 | 合格率 |
1位 | 甲種1類 | 21.9% |
2位 | 乙種3類 | 26.8% |
3位 | 乙種1類 | 28.6% |
4位 | 甲種3類 | 28.8% |
5位 | 甲種2類 | 29.0% |
6位 | 特類 | 29.7% |
7位 | 乙種2類 | 30.3% |
8位 | 甲種4類 | 33.3% |
9位 | 乙種4類 | 34.6% |
10位 | 甲種5類 | 34.7% |
11位 | 乙種5類 | 36.4% |
12位 | 乙種6類 | 38.7% |
13位 | 乙種7類 | 60.0% |
難易度ランキング1位は消防設備士甲種1類【合格率21.9%】
難易度ランキング1位は消火栓やスプリンクラーを扱う甲種1類でした。
合格率は21.9%となっており、ガテン系の国家資格の中ではかなり低い合格率だと思います。
甲種の試験を受験する方は本職の消防設備士の方も多く、真面目に勉強をして受験していると思いますので、ここまで合格率が低いという事は問題の難易度が高い証拠だと思われます。
これから受験予定の方はしっかり勉強されたほうが良いですね。
ちなみに消防設備士試験では公論出版の問題集がオススメの教材なのですが、これまで1類の教材は販売されていませんでした。
しかし、令和6年より1類の問題集が販売されるようになりました。
そのため、今後は公論出版の問題集を使って勉強する人が増えることが予想されますので、甲種1類の合格率も上がる可能性があります!
消防設備士試験の勉強は問題集のみでOKです。
参考書を買うくらいなら、別の問題集を追加で購入した方が有意義ですね。
公論出版の問題集は下の以下のリンクから購入出来ます!
難易度ランキング2位は消防設備士乙種3類【合格率26.8%】
難易度ランキング2位は不活性ガス消火設備の乙種3類で合格率が26.8%でした
ちなみに問題数が多い甲種3類の方が絶対に難しいはずなので、甲種と乙種の順位が逆転しているのは違和感があります。
おそらく受験者の勉強不足や、出題問題が意地悪だったことなどが原因だと考えられますので、乙種の方が簡単と勘違いしないようにしてくださいね。
なお、甲種3類も難易度ランキングでは4位になっていますので、3類自体の難易度が高いことは間違いないと思われます。
難易度ランキング3位から12位は?
難易度ランキング3位以降は、2類、特類、4類、5類、6類の順番でした。
この圏内の順位は乙種と甲種の難易度にズレが無く、正しい難易度を表しているように思えます。
また、4類と6類の合格率が高いのは、1類のときに紹介した公論出版の問題集がカバーしているため、受験者のレベルが高くなっていることが要因の一つだと思います。
公論出版は本当にオススメです!
難易度ランキング最下位は消防設備士乙種7類!【合格率60.0%】
難易度ランキング最下位は漏電火災警報器の乙種7類でした!
合格率は驚異の60%となっています。
そもそも7類は勉強範囲が狭いですし、第二種電気工事士を持っていれば科目免除も受けられるため、難易度が一番簡単というのも納得できます。
また、7類にも公論出版の問題集が出ているため、これ1冊だけ勉強すれば合格出来てしまう点も合格率を上げている要因なのかもしれません。
私は公論出版の関係者ではありませんが、この本を使って勉強した方からネガティブな意見を聞いたことがないため、オススメしないわけにはいかないと思っています・・。
消防設備士を取得するおススメの順番と勉強時間
次に消防設備士を取得するおススメの順番を紹介します。
これを待ってました!!
ちなみに、消防設備士は各類によって難易度に差はありますが、難しい国家資格と比べればどれも簡単なものばかりなので、各類の難易度の差など誤差でしかありません。
そのため取得する順番を決める際に難易度はあまり気にしなくても良いです。
むしろ、取得順番は「人気ランキング」を基準に決めるのがオススメです。
また、勉強が苦では無い方は、乙種ではなくいきなり甲種を受験してみてもいいですね。
甲種は乙種が出来る仕事の範囲を全てカバーしていますし、会社から支給される資格手当の金額も多いです。
というわけで、私がオススメする消防設備士の取得順番は以下の通りです。
- 消防設備士4類(乙種or甲種)
- 消防設備士6類(乙種)
- 消防設備士1類(乙種or甲種)
- 消防設備士7類(乙種)
- 消防設備士3類(乙種or甲種)
- 消防設備士5類(乙種or甲種)
- 消防設備士2類(乙種or甲種)
- 消防設備士特類
甲種・乙種の選択は、得られるメリットを考えて判断すると良いと思います。
消防設備士として働くなら甲種一択だと思いますが、ビルメンなら乙種でも構いません。
資格手当の金額が乙種と甲種で区別されてるなら、甲種を取得したほうが良いですが・・。
なお、一番最初に消防設備士4類を「乙種」ではなく「甲種」から取得する場合、受験資格を満たさなくてはいけません。
詳しくは公式ページで確認してください。
ちなみに第二種電気工事士を持っていれば受験資格を満たせますので、ビルメンならいきなり甲種から受験出来る人が多いのかなと思います。
※合格した種類の免許を使って、次に受験する種類の科目免除をすることも出来ますが、残った科目の間違えられる問題数が減るというリスクがあるため、科目免除はあまりオススメしません。
消防設備士合格に必要な勉強時間は?
さて、取得する順番が決まったら、勉強時間が気になりますよね。
ちなみに合格に必要な勉強時間には個人差があるため、明確な数値を出すのは難しいと私は思っています。
しかし、あえて目安となる勉強時間をあげるとすれば、それぞれの種類ごとに50~100時間程度必要だと思ってください。
なお、甲種は乙種の1.5倍程度学習時間が必要なので、75~150時間は確保した方が良いでしょう。
1日2時間勉強出来るなら、約1~2か月程度で合格出来るという事ですね。
また、先ほど少し説明しましたが、科目免除制度を利用すると勉強時間は減ります。
以下の表をご覧ください。
〇又は◎がついている部分は、科目免除対象です。
例えば、表内の乙4の部分に着目してみてください。
甲1から乙6まで「〇」となっていますね。これは、乙4を持っていれば、甲1から乙6までの試験を受ける場合、「消防関係法令の共通部分」を免除できることを意味します。
また、乙7には「◎」がついています。これは、乙4を持っていれば、乙7を受験する際に「消防関係法令の共通部分」と「基礎的知識が」が免除できることを意味します。
このように科目免除を利用することで、学習範囲を狭くすることが出来るため勉強時間を減らすことができます。
※科目免除するかどうかは、受験申請するときに選択できます。
ただし、科目免除をすると合格基準が上昇(間違えても良い問題の個数が減る)してしまうため、もしその分野の知識に自信があるなら科目免除無しで挑むことをオススメします。
要は科目免除の対象になっている分野は出題範囲がかぶっているってことです。
すでに勉強経験があって内容を覚えている人は、そんなに勉強しなくても得点源に出来るので、わざわざリスクがある科目免除を選択するメリットは低いってことですね。
【関連記事】消防設備士の科目免除について超わかりやすく解説
結論:消防設備士に必要な勉強時間は50~150時間程度だが、各類ごとに出題範囲がかぶっているため、実際はもっと少ない。
まとめ「消防設備士は将来性抜群の資格!」
この記事では、各種消防設備士の人気&難易度ランキングを紹介しました。
消防法は年々厳しくなっており、消防法に基づく法定点検に従事することが出来る消防設備士は、今後も需要が落ちることがない将来性のある資格だと思います。
また、国家資格を必要とする仕事は、AIに仕事を取られる心配が無い点も魅力的です。
便利な点検機材が増えて業務自体が楽になる可能性はありますが、法令で決まっている以上は資格保持者は絶対に必要ですからね。
しかも、難易度も難しくなく、勉強さえすれば誰でも合格出来る可能性がある穴場資格です。
中高年が未経験からでも始められる仕事なので、今すぐ消防設備士になるつもりがない方も、将来の保険として取得してみてはいかがでしょうか!(※受験料が値上げされているため早めに取得したほうが良いですよ)
消防設備士の勉強にオススメの教材を知りたい方は、以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
★消防設備士として働きたいと考えている方のために、消防設備士の業務内容を紹介する記事を書いていますので参考にしてみてください。
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コメント一覧
自身は甲種4類乙種6類を受験取得しました。当時の職場は消防点検も行っており、同僚の有資格者も多いことから需要の多い分類を受けただけでして。
後にアマチュア無線で知り合った消防士さんも自火報と消火器の需要が多いと証言、図らずもツートップゲットですー。
1類は配管が分からず敗退してますが、消火設備の点検には使えるんで受験を計画しています。
ちなみに甲種4類は電工資格で受験するも免除は使うてまへん。そのほうが正解率あがるー思うて。甲種1類は鑑別が苦手やなぁ。