消防設備点検資格者とは?消防設備士と何が違うの?取得方法やメリットを解説します!
消防設備点検資格者って資格があるらしいですね。
消防設備士も持ってるんだけど、この資格も取ったほうが良いですか?
消防設備点検資格者は消防設備士と同様に消防設備の点検が出来る資格です。
しかし、消防設備士と取得方法や、出来る仕事の範囲が違いますのでメリットデメリットを紹介しますね!
ビルメンの仕事をしていると資格手当目的で消防設備士を取得する方がいますので、関連する資格として「消防設備点検資格者」の名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
ちなみに、ビルメン(設備管理)の仕事をしている方の場合、消防設備士は持っていても消防設備点検資格者は所持していない人がほとんどだと思います。
理由は、ビルメンだと取得するメリットがほぼ無いからです!
とはいえ、気になる方もいるかと思いますので、この記事では消防設備点検資格者の取得方法や必要性について解説致します。
消防設備点検資格者とは
消防設備点検資格者は、消防用設備等の点検を行うことができる国家資格です。
消防用設備等には、消防法で定めらているスプリンクラー、消火器、避難器具、警報設備、避難誘導灯など様々なものが存在します。
これらの設備は、いざというときにその機能を充分に発揮しなくては人命に関わるため、設備を「正しく設置」することのほかに設置後の「適正な維持管理」が必要であるとされています。
適性な維持管理のためには専門家による点検が必要ですよね。
そこで、消防法では消防用設備点検の専門家でもある消防設備点検資格者に、定期的な消防用設備の点検を義務付けているのです。
消防設備士との違い
さて、消防用設備の点検ができる消防設備点検資格者ですが、同じく消防用設備の点検ができる消防設備士との違いは何があるのでしょうか。
それは、「整備・工事」が出来ないとう点です。
消防設備士は乙種・甲種と区分がわかれており、それぞれ消防用設備について乙種だと「点検・整備」が、甲種だと「点検・整備・工事」が出来ます。
それに対して、消防用設備点検資格者は「点検」のみしか出来ません。
これが消防設備士と消防設備点検資格者の決定的な違いです。
消防用設備点検の資格まとめ | |||
消防設備点検資格者 | 消防設備士(乙種) | 消防設備士(甲種) | |
点検 | 〇 | 〇 | 〇 |
整備 | × | 〇 | 〇 |
工事 | × | × | 〇 |
消防設備士甲種が最強ってことやね。
そのとおりですね!
ただし消防設備士甲種は試験の難易度が高めなので注意してください。
消防設備点検資格者の種類
消防設備点検資格者は第一種、第二種、特殊の3つに分類されます。
それぞれ点検出来る消防設備の種類が違いますので、必要な区分の講習を受講する必要があります。
以下の表は、点検できる資格の種別(消防設備士も含む)と点検できる消防設備です。
消防設備はこまかく分類されてるんやね。
消防設備点検資格者講習の概要
講習を管轄している団体
団体名 | 一般財団法人 日本消防設備安全センター |
URL | https://www.fesc.or.jp/ |
受講資格
消防設備点検資格者講習には受講資格があります。(誰でも受講できるわけではありません)
- 甲種又は乙種の消防設備士
- 第1種又は第2種電気工事士
- 1級又は2級の管工事施工管理技士
- 水道布設工事監督者の資格を有する者
- 建築物調査員、建築設備等検査員(建築設備検査員、昇降機等検査員、防火設備検査員)
- 1級又は2級の建築士
- 技術士の第2次試験に合格した者(機械部門、電気・電子部門、化学部門、水道部門又は衛生工学部門に係るものに限る。)
- 第1種、第2種又は第3種の電気主任技術者※電気事業法(昭和39年法律第170号)附則第7項により電気主任技術者免状の交付を受けているとみなされている者は該当します。
- 1級、2級又は3級の海技士(機関)
- 建築基準適合判定資格者検定に合格した者
- 消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について5年以上の実務の経験を有する者
- 消防行政に係る事務のうち消防用設備等に係る事務に関し1年以上の実務経験を有する者
- 建築行政に係る事務のうち建築物の構造及び建築設備に係る事務に関し2年以上の実務経験を有する者
- 学校教育法による大学若しくは高等専門学校、旧大学令による大学又は旧専門学校令による専門学校において機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科又は課程を修めて卒業した(当該学科又は課程を修めて同法による専門職大学の前期課程を修了した場合を含む。)後、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について1年以上の実務の経験(前11の実務の経験と同じ。)を有する者
- 学校教育法による高等学校若しくは中等教育学校又は旧中等学校令による中等学校において、機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科を修めて卒業した後、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について2年以上の実務の経験(前11の実務の経験と同じ。)を有する者
ビルメン(設備管理)の仕事をしている方なら、消防設備士、電気工事士、電気主任技術者あたりの国家資格をお持ちだと思いますので、受講資格をクリアすることは難しくないと思います。
消防設備士が受講資格になってるから、消防設備士を持ってるなら消防設備点検資格者はいらないんじゃ?
消防設備士の資格は全部で7種+特類という区分があります。
全ての種類の消防設備を点検するためには、これら全ての国家試験に合格しなくてはいけません。
しかし、消防設備点検資格者を受講するためには、どれか一つの消防設備士免状を持っていれば良いので、例えば1番簡単な消防設備士6類を取得して、消防設備点検資格者を受講すれば全ての消防設備の点検が出来るようになります。
受講料
消防設備点検資格者の受講料は以下のとおりです。(かなり高い)
受講料区分 | 金額(消費税10%込) | 内訳 |
---|---|---|
A | 32,384円 | ①受講料:32,300円 ②合否判定結果通知郵送料:84円 |
B | 30,384円 | ①受講料:30,300円 ②合否判定結果通知郵送料:84円 |
なお、受講料は科目免除者(B区分)の場合、少し安くなります。
講習日程
消防設備点検資格者講習は年4回ほど実施しています。
詳細な日程や会場については公式サイトにて確認してください。
講習内容
消防設備点検資格者の講習は1種、2種、特殊それぞれ3日ずつ実施されます。
私は1種と2種を連続して受講しましたが、計6日間を固いパイプ椅子に座っていたので疲れました。
終了考査
消防設備点検資格者は、最後に簡単な確認テストがあります。
講習で使用した教材を見ながらテストを受けられるので、合格率は9割以上となっております。
なお、講習中にテストに出る問題を講師の人が教えてくれるので、その都度教材に付箋を貼っておくことをオススメします。
講習中に居眠りをしているとテストに出る部分がわからなくなりますので、絶対に起きていましょう!
私はこの時期に宅建の勉強をしていたので、講習を受けている最中は宅建の勉強をしつつ、講師の人がテストに出るといった時だけ耳を傾けてテキストに付箋を貼る作業をしていました。
修了考査に落ちたら?
修了考査で不合格となった場合には、修了考査を受けた日から1年以内に、1回に限り修了考査を受け直すことができます。
再考査手数料は3,450円(消費税10%込)です。
普通に居眠りしないで授業を聞いていれば受かりますので、再考査にならないように一発で合格するようにしましょう!
申し込み方法
消防設備点検資格者の受講申し込み方法は郵送のみです。(令和5年10月現在)
面倒ですが、下記のページから申請書をダウンロードして申込をしてください。
再講習
消防設備点検資格者は、5年ごとの再講習が必須です。
もし再講習を受講しなかった場合、免状は失効しますのでご注意ください。
再講習は各種別ごとに1日で終わります。
再講習にかかる金額:9,910円
なお、第一種と第二種消防設備点検資格者については、オンラインによる再講習も可能です。
詳しくはコチラから確認してください。
特別な理由が無ければオンラインの方が楽そうですね。
消防設備点検資格者を取得するメリット
消防設備点検資格者ですが、ビルメンの場合は法律に定められた消防設備点検をすることが無いので、この資格を取得するメリットはうすいと思います。(ビルメンでも、トラブル対応時や報告書作成などの際に消防設備の知識は必要です)
それよりも、以下の理由から消防設備士(乙種でもOK)を1種類でも多く取得することをオススメします。
- 消防設備士の方が資格手当の支給対象となっている会社が多い(全種類取得すれば2万円を超えることも)
- 消防設備士にも定期講習制度があるが、講習を受講しなくても免状は失効とならない。(一生有効)
- 1か月以上かけて勉強するため消防設備の知識が身に付く。
本職の消防設備士なら消防設備点検資格者取得もあり
消防設備士の免状を全て取得するのは大変です。
しかし、未経験・無資格から消防設備点検の会社に就職した場合、資格が無いため消防設備点検の際に出来ることが限られてしまいます。
そんな人でしたら、消防設備士の免状が全て揃うまでの期間の措置として、消防設備点検資格者を取得するのはアリかなと思います。
講習だけで取得出来るため、消防設備士よりも簡単に取得出来ますからね!
★本職の消防設備士の仕事内容については以下の記事で解説しています↓
消防関係の仕事は人命の直結するため、今後も絶対に無くなることはないです。
ビルメンを飽きた場合の転職先にもオススメ出来る仕事です。
>>ビルメンから転職する勇気も必要です【関連記事】
消防設備点検資格者まとめ
今回は消防設備点検資格者の紹介でした。
修了考査があるとはいえ、基本的には講習を受講すれば取得出来る資格なので会社からの評価も低いと言わざるを得ません。
それでも、資格手当の支給対象となっているビルメン会社も存在するため、メリットがあると感じた方は是非取得してみてください。
当ブログで実施した資格手当アンケートだと、消防設備点検資格者に最大で3000円支給する会社があることが判明しておりますので、これだけ貰えれば取らないという選択肢は無さそうですね!
講習で取得出来るビルメン資格は以下の記事でまとめていますので、気になる方はチェックしてみてください。
他のビルメン資格情報もチェック!
ビルメン関連の資格は他にもたくさんあります。
主要資格に関してはそれぞれ特集記事を書いてますので、取得方法や勉強方法が気になる方は以下のリンクからご覧ください!
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