第一種電気工事士の必要性【実務経験が必要だし大変・・】
今回はビルメンに第一種電気工事士(以下 電工一種)が必要か私の考えを書いていきます。
以前の記事で書いた通り、私は電工一種を認定で取得しています。
試験合格の方と比べますと、かなり楽をして取得をしているため、資格の必要性を語るような立場ではないかもしれませんが、コメントで電工一種を取得したほうが良いか質問を度々受けるため、今回の記事で私の意見を確定させたいと思います。
動画もありますので良かったら下記のリンクから見てください(動画の方がわかりやすいかも)
法的な観点からの必要性
ビルメン経験者の方が下記の表を見ればわかると思うのですが、電気工事士法を元に電工一種の必要性を考えた場合、ビルメンにとってはほぼ不要と考えて良いかなと思います。

ビルメン未経験者の方に説明しますと、一般用電気工作物というのは、私たちが住んでいる一般住宅(アパート含む)が該当し、自家用電気工作物はビルメンが勤務するビル等が該当することになります。
上記の表を見ればわかりますが、第二種電気工事士ではビル(自家用電気工作物)内の工事は出来ないことがわかります。
※電工二種は電気工事士法という観点から考えると、ビルメンにとっては何の意味もないのです。
上記より、ビル(自家用電気工作物)内で電気工事をするためには、第一種電気工事士が必要になるかと思いきや、さらに表をよき見て頂くと500kw未満という表記が確認できるかと思います。
この数字はビルが契約している電力になります。
私が今まで勤務してきたビルで500kw未満という物件は見たことがないため、ビルメンが常駐するビルは基本的に契約電力500kw以上であると考えてもらって良いです。
500kw以上のビルばかりなら、ビルメンが働くことになるビル(自家用電気工作物)は、どの項目にも当てはまらないじゃないかと思われるかもしれません。
これはそのとおりで、ビルメンが常駐するようなそれなりの規模があるビルに関しては、電気工事士法の管轄外になり、無資格者でも工事が出来てしまいます。
これが、法的な観点からビルメンにとって電工一種が不要と思う理由です。
また、巡回ビルメンで小型物件を扱うことになり、500kw未満のビル内で電気工事をすることになってしまった場合は、表内の一番下にある認定電気工事従事者という資格を取ればOKです。
この資格があれば、500kw未満の自家用電気工作物の低圧電路の工事が可能となります。※低圧部分のみです
ビルメンが高圧電路の工事をすることはほぼありえないため、認定電気工事従事者を取得しておけば500kw未満のビルの管理を任された場合も問題ないかと思います。
認定電気工事従事者の取得方法はいくつかありますが、簡単なものですと電工二種を取得したあとに指定の講習を受けるパターンかと思います。私もこの方法で取得しています。
この講習は1日で終わり、費用は12500円となっております。
知識的な観点からの必要性
私は電工一種の筆記試験問題を電験三種の勉強中に見たことがりますが、筆記に関しては電工二種と比べるとかなり難易度が高いなと感じました。
そのため、電験三種の勉強をする前のステップとしては丁度良いのかなと思います。
転職活動においても、履歴書に電工一種が記載されていれば、面接官も「この人は一定水準の電気の知識があるな」とわかってくれるはずです。※電工二種は適当な勉強でもまぐれで受かったりしますので、電気の知識は信用できません。
以上より、知識的な観点から考えますと、電験三種を持っていない人であれば電工一種は取る価値があります。
金銭的な観点からの必要性
僕の大好きな資格手当の話です。
資格手当を出してくれる会社であれば、電工二種と一種は差別化されているとも思いますので、お給料アップが見込めます。私の記憶している限りでだと、電工2種で1000円、1種で5000円という会社がありました。この差は大きいです!
次に発生するコストですが、電工一種は資格を維持するために5年に1度1万前後のかかる講習を受ける必要があります。この講習の受講は必須です。
そのため、資格手当が貰えない会社の場合ペイ出来ない可能性が高いです。
私の感触ですが、電工一種を持ってるだけだと基本給に影響は無さそうでしたので、5年ごとの講習代を会社が出してくれないと赤字になってしまいます。
というわけで、現在勤務している会社が電工一種に資格手当を出してくれて、その会社に一年以上継続して勤務する予定があるのなら、資格手当で十分に講習費用をペイ出来ますので電工一種を取る価値はあります。
結論
色々と書いてきましたが、結論としては電工一種はビルメンにとって優先順位の低い資格だと言えます。
免状化するのに実務経験も必要ですし、取得する手間に比べて見返りが少ないです。
そのため、他の資格をある程度揃えた後に取得するか考えると良いかなと思います。
私も、ビルメン10年目にしてようやく電工一種を取得しましたので。
また、あらためてお伝えしますが、今回の話はビルメンにとって電工一種が必要かどうかの話になりますので、他の職種に関しては一切考慮していません。
電気工事士として働いていくのであれば、電工一種は取るべき資格なのは間違いないです。