ビルメンは第二種電気工事士を取りなさい!第二種電気工事士がビルメンに必要な理由を解説。

第二種電気工事士って結局何が出来るんや?
ビルメンになるだけなら必要ないやろ?

確かに第二種電気工事士を持っていなくても、ビルメンに転職は出来ます・・。
しかしビルメン業界で働くなら、第二種電気工事士を持っていることによるメリットは間違いなくあるので出来れば取得してほしい資格です!
今回はビルメンに転職するために最も重要な資格となる、第二種電気工事士について解説をしていきます。
この記事を見ればビルメンに第二種電気工事士が必要な理由を理解して頂けると思いますよ!
- 第二種電気工事士ってどんな資格なの?
- ビルメンに関係あるの?
- どうやって取るの?
- 第二種電気工事士の難易度は?
全てのビルメン資格一覧を確認したい方は以下の記事をご覧ください。
第二種電気工事士とは

電気工作物において電気工事をする場合、電気工事士法という法律によって定められた電気工事士の試験に合格した人でないと工事をしてはいけないことになっています。
電気工事の作業に従事する者の資格や義務、電気工事の欠陥による災害の発生の防止について定められている法律。
ここでいう電気工作物とは、電気を契約している戸建ての住宅、マンション、ビル、工場など電気を利用するあらゆる建物が該当すると思ってください。
そして、電気工事士には工事が出来る範囲によって第一種電気工事士と第二種電気工事士という区分が設けらており、一種は二種の上位互換と思って差し支えないです。
ビルメンで必要なのは、取得が簡単な第二種になりますが、第一種を所持しているビルメンの方もたくさんいます。

私も第一種電気工事士を持っていますよ!
関連記事:第一種電気工事士を取得できました
電気工事士:第1種と第2種の違い
単純に工事が出来る範囲が違います。
大雑把に分けますと、第二種は一般用電気工作物の電気工事が可能で、第一種は一般用電気工作物及び自家用電気工作物の電気工事が出来ます。
・自家用電気工作物:ビルや工場など大量に電気を消費する建物
・一般用電気工作物:戸建て住宅やアパート
※もっと細かい条件があるのですが、ここでは簡単に上記のような認識でOKです
ということは、第二種電気工事士では一般用電気工作物(戸建て等)の工事しか出来ないため、ビルメンが勤務するであろうビルでの電気工事をするには第一種電気工事士が必要なんじゃ・・と思いますよね。
実はその通りで、第二種電気工事士は戸建て住宅などの電気工事をするための資格なので、ビルのような自家用電気工作物で工事をするための資格ではないのです。
ただし、第一種で工事が可能な自家用電気工作物であっても、最大電力が500kw以上の自家用電気工作物で電気工事をする場合は、電気工事士法の対象外となっており、電気工事をするのに免許は不要なんです。
これはかなり変なルールなのですが、そもそも自家用電気工作物では電気主任技術者という有資格者を選任し保安管理をしていくルールとなっており、最大電力500kw以上の自家用電気工作物は電気主任技術者が保安管理をしっかりと行っているので、電気工事に関しては電気工事士の免許を持っていない人でも、電気主任技術者の監督のもと工事をして良いですよという謎ルールになっているようです。

電気主任技術者は第一種から第三種まであり、一番難易度の低い第三種であってもかなり難易度が高い資格です。
そして、ビルメンが常駐して勤務するようなビルは、最大電力500kw以上のビルとなっていますので、そもそも第一種電気工事士も不要なんですよね。
下記表は電気工事士法における、工事範囲区分ですが自家用電気工作物の箇所には500kw未満までしかありません。
これは500kw以上の工事が出来ないというわけではなく、そもそも法の適用外なので無資格者でも工事が出来ることを意味しています。
だからといって、実際の電気工事に現場に無資格者はいませんけどね。


じゃあ第二種電気工事士いらないやんけ・・・

まぁそう言わずに次の章を見てください
第二種電気工事士はビルメン4点セット
第二種電気工事士はビルメン基本資格と言われているビルメン4点セットの一つです。
その他のビルメン4点セットの資格が気になる方は以下の記事をご覧ください。
ビルメンに第二種電気工事士が必要な理由

さて、先ほどの説明で第二種電気工事士ではビル内(自家用電気工作物)の電気工事は出来ないことが分かったていただけかと思います。
さらに、最大電力が500kw以上のビルならば、ご説明したとおり電気工事士法の対象外なので、電気工事士自体の免許が完全に不要になります。
※ビルメンが勤務するビルはほとんど最大電力500kw以上です。
ビルメンが第二種電気工事士をとる理由①「就職に有利になる」
これまで話してきた内容だと、ビルメンにとって電工はあってもなくても良いような資格に感じます。
しかし、実際のビルメンの求人を見ていただければわかるのですが、多くのビルメン求人の応募条件に第二種電気工事士の有資格者歓迎と記載があるんです。
例えば以下の求人などが良い例です。

この求人では歓迎要件に第二種電気工事士と記載があります。
歓迎要件なので必須ではないです。
しかし、年齢等のスペックが同じで第二種電気工事士を持っている人と、持っていない人が同時に面接に来たと仮定した場合、第二種電気工事士の有資格者を優先的に採用することになりますので、取得しないわけにはいきません。
ビルメン会社が第二種電気工事士の資格保有者を求める理由
なぜビルメン会社は電工の有資格者を求めているのでしょうか。
ビルメンは業務の中で簡単な電気工事をすることがあります。
そのためビルメン会社としては自社の社員に電気について最低限の知識を持っておいてほしいという思いから、条件に第二種電気工事士を入れているようです。
また、ビルオーナーによっては、電工所持者しかこのビルでは勤務してはいけないと契約の段階で決めている場合もあるようで、そういったビルに派遣することも想定して電工の有資格者を求めている場合もあるようです。

電気は扱い方を誤ると死亡事故に繋がります。
そのためビルメン会社、ビルオーナーどちらの立場からしても無資格のよくわからない人に管理を任せるのは不安なんでしょうね。
ビルメンが第二種電気工事士をとる理由②「認定電気工事従事者」
先ほど最大電力500kw以上のビル(自家用電気工作物)は電気工事士法の対象外と説明しましたが、仮に500kw未満のビルでビルメンが簡単な電気工事(低圧部分の工事)をする場合、本来は第一種電気工事士の免許が必要です。

しかし第一種電気工事士は、取得するために実務経験が必要だったりと簡単に取得出来るような資格ではありません。
そこで登場するのが認定電気工事従事者という資格です。
この資格を持っていると、最大電力500kw未満のビル内の低圧部分の工事が可能となります。

表内の「電線路除く・600V以下」の箇所に、認定電気工事従事者は〇がついていますね!
※600V以下=低圧を指します
ちなみに認定電気工事従事者は講習を受けるだけで取得出来ますが、誰でも講習が受けられるわけではなく条件をクリアしている必要があります。
その条件の一つに第二種電気工事士の資格保有者であることがあげられています。
以上より、認定電気工事従事者を取るための手段として、第二種電気工事士が活きてくるのです。
認定電気工事従事者については以下の記事でも紹介しています↓

巡回型ビルメンだと最大電力500kw未満の小規模なビルの管理を担当するかもしれませんでの、認定電気工事従事者が持っていて損はないですよ。
仮に無資格で上記の条件のビルで電気工事をしてしまうと、電気工事士法違反になるかもしれませんね。
第二種電気工事士試験の概要

さて、ビルメンが第二種電気工事士を取得する理由は分かっていただけたと思いますので、ここからは第二種電気工事士の試験の概要について解説していきます。
電気工事士試験を主催している団体
団体名 | 一般財団法人電気技術者試験センター |
URL | https://www.shiken.or.jp/index.html |
試験日程

上記は令和5年版ですが、毎年同じような時期に実施されています。
第二種電気工事士は年に2回実施されていますので、受験しやすい試験となっております。

第一種電気工事士は受験者数も少ないためか、現時点では年に1回のみの実施となっています。
試験問題
電気工事士試験最大の特徴として、試験が筆記試験と技能試験に分かれていることが挙げられます。
ビルメン必須資格の中で、技能試験がある資格は電気工事士だけとなっておりかなり特殊な資格です。
それぞれ説明していきます。
第二種電気工事士-筆記試験
試験問題の回答方法はマークシート方式となっており、漢字を書かせたりするような問題はありません。
筆記試験では以下のような問題が出題されます。

初見だと難しそうに見えますが、中学1年生レベルの数学が出来れば解ける問題ばかりです。
なお、令和5年度の試験よりCBT方式が導入されており、CBT方式を選択した場合、受験可能期間内であれば好きな日時・好きな会場で試験を受けることが出来るようになりました。
もちろん従来の筆記試験(マークシート方式)で受験することも可能です。
CBT方式の試験の方が受験しやすかったとの声を頂いているので、パソコンを使った受験に抵抗が無い方はCBT試験の利用がお勧めです。
問題は全部で50問あり60%(30問)正答で合格出来ます。
第二種電気工事士-技能試験
技能試験は、電線や電気器具を使って指示された作品を作る試験です。
下の写真は実際に試験に出題された問題とその完成品です。
試験会場では問題用紙と材料が配られますので、その材料を使って問題用紙の作品を仕上げます。
なお材料を加工して組み立てるために、電気工事士用の工具が必要になりますので、これらは自分で購入して試験会場に持ち込む必要があります。
アマゾンでは電気工事士の工具セットが売っています。
練習するための材料も必要なので、工具と材料セットにしたものも販売しています。(こっちを買うのがおすすめ)

工具は高いですが、就職するためなので我慢して購入しましょう。
技能試験の採点基準や作成する際の注意点については、公式ページにて確認出来ます。
受験資格
受験資格無し
第二種電気工事士は受験資格が無く誰でも受験可能です!
※第一種電気工事士も受験資格はありませんが、免状化するのに実務経験が3年必要
受験料
インターネット申請 | 9,300円 |
郵送申込 | 9,600円 |
ネット申請の方が安いのでネットで申し込みしましょう!
第二種電気工事士の合格率
第二種電気工事士の合格率は、筆記試験50%、技能試験70%となっています。
ビルメン資格試験の中では高い合格率です。
第二種電気工事士の勉強方法

第二種電気工事士であれば簡単なので、独学でも余裕で突破出来ます。
ただし、不安という方はハローワークが実施している職業訓練のビルメンコースか電気工事士コースに通うことで、勉強を教えてもらうこともできます。
職業訓練の通い方は以下の記事を参考にしてください。
また、電気工事士の試験では筆記以外に技能試験というものもあり、これは実際の電気工事の際に使う工具を使って、問題の設計図通りに電線や電気器具を工作していくものになります。
当然ですが、技能試験も職業訓練に通えば教えてもらえます。
第二種電気工事士の筆記試験
職業訓練に通えない場合は、市販のテキストを買って独学で勉強することになります。
注意する点としては、最近の電工試験は難易度を少し上げてきている傾向にあるので、なるべく捨て問を作らないことです。
電工試験の場合、計算が苦手なので計算問題は全部捨てるって方がいるんですが、試験に落ちる人ってそういう捨て問を作る方が多いと感じます。
計算問題を捨ててしまうと、20点マイナスの状態で試験を受けることになってしまうんですよね。
これってとてもリスキーなので、なるべく捨て問は作らないように勉強してください。
電工試験の計算問題であれば、丁寧に学習すれば必ず解けるようになるはずです。
おすすめの勉強方法ですが、軽くテキストを一読したらすぐに過去問に入ることです。
最初の頃は全く解けないと思いますが、同じ問題を何度も解きならが、その度に解説も読むことで理解力が深まっていきます。※必ず問題の解説は読んでください。
勉強時間の目安としては1か月(50時間以上)くらい見ておけば大丈夫です。

試験直前までに、市販の過去問集の正答率が95%くらいまでになってればほぼ確実に受かります。
筆記試験の教材は下記のものがおススメです。最近合格されてている方もみんな使っています。
テキストと過去問両方買いましょう。
第二種電気工事士の技能試験
技能試験は筆記試験と違って、出題される候補問題が13パターンほど試験センターから発表されます。
本試験では、13パターンの候補問題のうちから1題が出題されるので、その通りに工作していくことになります。
あらかじめ候補問題がわかっているので簡単そうに見えますが、かなり練習しないと本番で時間が足りなくなる場合もあるので注意してくださいね。
こちらも筆記と同じで1か月(50時間くらい)練習すれば、ほぼ受かるレベルに持っていける思います。
最近はYouTubeに第二種電気工事士用の技能試験対策動画を投稿している方もいるようなので、それらを見て練習するのも良いですね!
どうしても電工試験に受からない方へ
勉強方法が間違えている可能性があります。
ビルメン資格の勉強方法をまとめた記事を書いていますので、良かったら以下のリンクから飛んでください。
私はビルメン資格に関しては全て1発合格しています!
結論「悩む暇があるなら第二種電気工事士の勉強をしましょう!」

結局、求人の応募条件になってしまってるので、第二種電気工事士はビルメンにとって必須の資格であると言えます。
私が在職していたビルメン会社でも、同僚のほとんどが第二種電気工事士だけは所持していました。
もちろん持ってなくても入社出来る場合もありますが、第二種電気工事士を持ってるだけで面接の突破率がかなり上がりますのでお得な資格であると言えます。
ビルメン資格の中では難易度も低く取りやすいですし、ビルメンを目指す方は是非勉強を頑張ってみてください!
