冷凍機械責任者はビルメンに必要なの?冷凍機械責任者を現役ビルメンが徹底解説【国家資格】

冷凍機って何すか?氷?
ビルメンって雑用やらされるって聞いたけど、氷まで作らないといけないの?

冷凍機は氷を作るくらい冷やすことも出来ますが、ビルメンが管理している冷凍機は主に空調(エアコン)のための熱源として利用されていますよ。
冷凍機はビルメン必須知識でもあるので、今回は冷凍機械責任者という国家資格についてご紹介しますね!
ビルメン資格4点セットの中で、ボイラー技士と並んで必要かどうか議論される冷凍機械責任者の資格ですが、実際のところ取得したほうが良いのでしょうか。
今回は冷凍機械責任者の解説とともに、冷凍機械責任者が必要かどうかの議論に対する私の考えを話しますね!
- 冷凍機械責任者ってなに?
- 冷凍機械責任者試験の勉強方法は?
- 冷凍機械責任者はビルメンに必要なの?
★全てのビルメン資格一覧を確認したい方は以下の記事をご覧ください。
冷凍機械責任者とはどんな資格なの?
高圧ガス保安法に規定される高圧ガス製造保安責任者の資格区分の一つ。経済産業省管轄。
冷凍に関わる高圧ガスを製造する施設において保安の業務を行う資格。
冷凍機械責任者には第一種、第二種、第三種の区分があり、職務の範囲は次の通りである。
第一種:全ての製造施設における製造にかかわる保安
第二種:1日の冷凍能力が300t未満の製造施設における製造にかかわる保安
第三種:1日の冷凍能力が100t未満の製造施設における製造にかかわる保安
一定規模以上の冷凍設備を有する事業所は冷凍機械責任者免状を取得した者の中から冷凍保安責任者を選任し、都道府県知事へ届け出ることとなっている。選任には免状取得に加え、所定の実務経験も必要となる。冷凍保安責任者のもとで冷凍機械の運転を行う者に資格は必要ない。
(wikipediaより抜粋)


簡単に説明しますと、ビルには冷凍機という上記写真のような機械が設置されており、夏場など暑い時期にビル内の温度を下げるための熱源を冷凍機で作っています。
この冷凍機は化学物質が入っているうえに、内部の圧力を上げて運転しているため、とてつもなく危険です。
そこで、冷凍機械責任者という免許制度を設けて、国家資格に合格した有資格者に管理させ安全に運用できるようにしています。
資格の種類は第一種から第三種まであり、最上位の第一種は全ての冷凍機を扱うことが出来ます。
第三種冷凍機械責任者はビルメン4点セット
第三種冷凍機械責任者はビルメン基本資格と言われているビルメン4点セットの一つです。
その他のビルメン4点セットの資格が気になる方は以下の記事をご覧ください。
冷凍機械責任者の試験概要

ここでは冷凍機械責任者の試験概要を紹介します。
冷凍機械責任者試験を管轄している団体
団体名 | 高圧ガス保安協会 |
URL | https://www.khk.or.jp/index11.html |
冷凍機械責任者の受験資格
第一種から第三種まで受験資格無し!
いきなり最上位の第一種冷凍機械責任者を受験することも可能です。
冷凍機械責任者の受験料
受験料 | |
---|---|
第一種冷凍機械 | |
第二種冷凍機械 | |
第三種冷凍機械 |
受験料 | |
---|---|
第一種冷凍機械 | 17,300円 |
第二種冷凍機械 | 11,100円 |
第三種冷凍機械 | 9,800円 |

ビルメン資格の中でも異常に高い受験料です・・・
冷凍機械責任者の受験日程
冷凍機械責任者の本試験は毎年11月頃に実施されています。
2023年(令和5年)の試験日
6月時点で、2023年の冷凍機械責任者の試験日は公表されておりません。
公式発表がありましたらお知らせ致します。
冷凍機械責任者の試験内容
1種と2種は「学識」「保安管理」「法令」の3科目を受験、3種の場合は1科目少なく「保安管理」「法令」の2科目を受験します。
しかし、上記科目のうち高圧ガス保安協会が2月、6月に実施している講習を受けて、そのあとに受ける講習用の試験に合格すると、「法令」以外の科目を免除できます。
表にすると以下のような感じです。
受験科目(講習無し) | 受験科目(講習有り) | |
---|---|---|
第一種冷凍機械 | 学識・保安管理・法令 | 法令 |
第二種冷凍機械 | 学識・保安管理・法令 | 法令 |
第三種冷凍機械 | 保安管理・法令 | 法令 |

法令だけ受験すれば良くなります・・。
ずるい!
ちなみに、講習は有料となっており以下の金額がかかります。(当然、本試験にも受験料があります)
郵送申し込み | インターネット申し込み | |
---|---|---|
第一種冷凍機械 | 29,600円 | 29,000円 |
第二種冷凍機械 | 25,400円 | 24,900円 |
第三種冷凍機械 | 20,000円 | 19,500円 |
要は、お金を払って講習を受けることによって、11月の本試験の受験科目を減らすことが出来るんです。
科目免除しないで受験した場合の合格率が20~30%くらいなのに対して、科目免除した場合の合格率は80%以上となっています。
科目免除がどれだけ有利なことかわかっていただけると思います。
ただし、講習を受けた後に講習用の試験があると書きましたが、こちらの合格率は50%程度なので簡単ではないんですけどね・・。
講習試験の過去問
冷凍機械責任者講習の過去問は以下のサイトから手に入るようです。
東京:https://www.jsrae.or.jp/books/books_jyuken.php
関西:https://www.kinreiko.com/test_guide/
関西は全種の過去問が手に入りますが、東京は1冷と2冷用しか手に入らないようです。
講習試験の合格率は50%程度ですので、過去問の購入は必須だと思います。
(この情報はYouTubeリスナーのスライダージョー様から頂きました。ジョー様ありがとうございます。)
ビルメンに冷凍機械責任者は必要なのか

いきなり結論から話します。
答えは、「取れるなら取ったほうが良い」です。

おい・・・
ちなみに、去年の私でしたら絶対取ったほうが良いという意見でした。
なぜ「取れるなら取ったほうが良い」に意見が変わったかというと、最近の冷凍機の質の悪い難易度の上昇が原因となっています。
私が冷凍機の資格を取得した7年前は、テキストを軽く読んでから素直に5年分の過去問をマスターすれば合格間違い無しの試験でした。
しかし近年の冷凍機試験は一番簡単な第三種であっても、テキストを軽く読んで過去問5年分だけ暗記しただけでは合格が厳しくなってしまっているようなんです。
難易度が上がっている本当の理由は高圧ガス保安協会(試験センター)しかわかりませんが、一つ考えられるのは試験センターが実施している本試験の科目を免除する講習を受けさせてお金稼ぎをしたいんじゃないかというのが可能性として濃厚かなと思います。
こんなビルメンは冷凍機械責任者を取っても良いかも

先ほど無理して取らなくても良いと書きましたが、以下の条件に当てはまるなら講習を受けてでも取得した方が良いです。
所属しているビルメン会社からの指示
会社から取得するよう指示があったら素直に取りましょう笑
おそらく現場に免許が必要な冷凍機があるからとかが理由になると思いますが、会社の指示である以上は取得したほうが良いです。
資格手当が貰える
資格手当が毎月貰えるなら取ったほうが良いです。
単純に給料が増えるので、講習や受験料で出費があっても資格手当で取り戻せるからです。
3種で3000円、2種で5000円、1種で7000円くらいの金額が毎月貰えるようなら絶対に取りたいところです。
冷凍機械責任者の勉強方法

他の国家資格と同じで、過去問がメインの学習となります。
ただし冷凍機の場合、過去問に取り掛かる前にテキストを読んで冷凍機の種類や仕組みなどを一通り頭に入れたほうが効率が良いです。
その後、市販の過去問を何度も解きます。
過去問を学習する際は、すべての選択肢を完全に暗記してください。
例えば以下のような問題があったとします。
問1 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧縮機の運転および保守管理について正しいものはどれか
イ.圧縮機を手動で操作して停止させる場合、受液器液出口弁を閉じてしばらく運転し、受液器に冷媒液を回収する必要がある。これは、液封の防止などのために必要な措置である。
ロ.往復圧縮機の吐出し弁に漏れがあると、吸込み工程で高圧側のガスの一部がシリンダ内に逆流する。このため、漏れのない場合と比較して、冷凍装置の冷凍能力、成績係数、圧縮機の吐出しガス温度および吐出しガス量がそれぞれ低下する。
ハ.フルオロカーボンを冷媒とする往復圧縮機では、始動時にオイルフォーミングなどを引き起こすことがある。これを防止するため、圧縮機運転前に油温を周囲温度より高く上げる必要がある。アンモニアを冷媒としている場合は、一般に、圧縮機運転前に油温を高める必要はない。
ニ.圧縮機内における圧縮が断熱変化であり、吐出しガスと吸込み蒸気の絶対圧力の比および断熱指数が一定であると仮定すると、吸込み蒸気絶対温度が10%上昇すれば、計算上、吐出しガス絶対温度は10%上昇する。
上の問題はイとニが正解ですが、ほかの選択であるロとハに関しても、解説をしっかり読み込み正しい知識を暗記してください。
これを市販の過去問5年分に出てくる全ての問題で実施し、試験前までに正答率が95%以上になるまでしつこく繰り返して勉強してください。
何度もしつこくです!!!!
あとはイメージしにくい冷凍機の仕組みとかをテキストで学習しておけば、本試験は突破できるはずです。
とにかく、過去問95%以上仕上げることは受かるための最低ラインだと思ってください。
3種の場合テキスト、過去問は以下のものを買えば良いです。(必ず最新版を買ってください)
いきなり第1種、2種冷凍機械責任者を受けてもいいのか
冷凍機試験は受験資格が設けられていないので、いきなり上位の資格を受けることもできます。
そのため、「いきなり2種や1種を受けても大丈夫ですか?」という質問をよく頂きます。
これに関しては、その人が確保できる勉強時間によるので何とも言えません。
ちなみに私は、いきなり2種を受験して一発で受かっています。(講習無し)
そのときの勉強方法ですが、まずは3種のテキストを軽く1周して、その後2種のテキストを熟読しました。
最後に2種の過去問を何週もしつこく解いて100%まで暗記した感じです。
合計の勉強期間は3か月くらいで、本試験の正答率は80~90%くらいでした。
結論(いきなり第二種以上を受けてもOK)
私が受験したのは7年前の話なので参考になるかわかりませんが、いきなり上位の1種、2種に挑戦することは全く問題ないと思います。
ただし冒頭でも書きましたが、最近は難易度が上昇していることは間違いないので、2種以上で受験される方は講習の受講も検討してみてください。
おそらく本試験が法令1科目だけであれば、1か月程度の勉強期間でも問題ないと思いますので、時間をお金で買うと思えば良いかもしれません。※講習後の試験の勉強は必要ですけどね。
2種のテキスト、過去問は以下のものが良いです。(必ず最新版を買ってください)
どうしても冷凍機械責任者試験に受からない方へ
勉強の方法が間違えている可能性があります。
ビルメン資格の勉強方法をまとめた記事を書いていますので、良かったら以下のリンクから飛んでください。
私はビルメン資格に関しては全て1発合格しています!
まとめ(ビルメンなら冷凍機械責任者を持っていて損は無いです)

冷凍機械責任者の資格に関してはこんな感じです。
ちなみに冷凍機を設置しているビルは減ってきていますので、今後この資格自体が不要になる日が来るかもしれません。
ただし、この資格で得られる知識はビルメンにとって重要なものですので、勉強をしておいて損はないと思っています。
勉強熱心なビルメンの方は是非取得してみてください。
以下の記事でビルメン4点セットのおススメの取得順番について書いてますので合わせて読んでみてください。