ビルメン資格情報はこれで完璧。4点セットから3種の神器までビルメンに必要な資格を紹介します!

おい、ビルメンになりたいんだが、資格が必要って聞いたぞ。
たくさんあるみたいだけど何を取ればええんや!!

ビルメンに関連する資格は種類が多いので迷いますよね。
この記事を見ればビルメン資格のことがほぼ理解できますので、最後まで見ていってくださいね。
ビルメンに資格が必要な3つの理由
まずビルメンに資格が必要な理由からお話します。

理由も無いのに勉強なんかしたくないから当然やな!!
ビルメンが資格を取る理由は3つあると私は考えています。
それぞれ説明していきますね。
①ビルには国家資格が必要な設備がある
ビルメンが管理することになるビルには様々な設備が設置されています。
そういった設備の中には、運転・管理するために国家資格が必要なものがあります。
これらの設備は法律によって有資格者を選任することが義務付けられているため、ビルを管理するビルメンが資格を取得して管理していく必要があるのです。

例えば冷凍機なら冷凍機械責任者の資格が必要だったり、
ボイラーであればボイラー技士の資格が必要になりまね。
しかし、最近は資格不要な設備が増え始めているため、法律的な意味での資格の必要性は薄れつつあります。
②ビルメンは資格手当を貰える
ビルメンが資格を取る理由の中で大きなウエイトを占めるのがこの理由じゃないでしょうか。
ビルメン会社の中には、資格を所持しているだけで毎月資格手当(お金)を貰えるようなサービス精神旺盛の会社があったりします。
ビルメンの中には、この資格手当を目的に資格を取得している人がかなりいます。
資格の難易度によって貰える金額に幅はありますが、高いものですと毎月1万円くらい貰えたりしますので薄給のビルメンにとって大きな収入になります。

資格手当は美味しいンゴね。
たくさん資格持ってたらそれだけ貰える金額も増えるんか?

資格手当の金額に上限を設けているビルメン会社もありますが、複数の資格を持ってるいと重複して貰えますよ!
以前YouTubeでアンケートを取ったら、資格手当の最大値を3万円と定めている会社が多かったですね。
★以下の記事は、私のYouTubeチャンネルでビルメンリスナーさんから情報を集めた資格手当の相場です↓
③ビルメンの転職(就職)・社内評価に影響する
最後の理由が会社の評価アップに繋がることです。
これは入社前の面接の結果であったり、入社後の給料の査定や昇給・昇進などに関係してくるという意味です。

なるほど。
そりゃ資格は無いよりはあったほうがいいもんな。

そうですね。
それに管理を任せるビルオーナーの立場になっても、有資格者が多いビルメン会社に管理を任せたほうが安心感がありますので、ビルメン会社としても管理ビルの受託契約を取りやすくなるメリットもありますね。
私の場合は待遇の良い系列系のビルメン会社に転職するために電験三種という資格を取得しました。
★以下の記事では、電験三種取得後の私の面接結果をまとめています。
優先的に取りたいビルメン資格(ビルメン4点セット)

いよいよ本題のビルメン資格の紹介です。
まずは最優先で取得すべき資格を4つ(危険物取扱者乙種4類、第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者、2級ボイラー技士)ご紹介します。
ビルメン資格の基本セットとなっており、勉強することでビル設備管理の知識も増やすことができます。

4つの資格が該当するため、ビルメン4点セットなんていうダサい名称で呼ばれてます笑
それぞれの資格について説明していきます。
➀危険物取扱者乙種4類(ビルメン入門用の資格)

この資格は、ガソリン・重油・軽油などの火災の危険性が高い物質を取り扱うために必要な資格です。
そもそも危険物取扱者は乙種だけで6種類あり、危険物の性質に応じて種類が分けられています。
※甲種、丙種という分類もありますが、ここでは割愛させて頂きます。
乙種4類は引火性液体というカテゴリで、先ほど挙げたようにガソリン、重油、軽油などの液体の物質が該当します。
乙種4類は危険物取扱者の中でも需要が高く、ガソリンスタンドや液体の危険物を運搬するトラック運転手として働く際にも必要になる場合があるため人気資格となっています。
また頻繁に試験も実施されているため、気軽に受験することが出来ます。
資格試験に慣れる目的で受験しても良いと思います。

ビルメンはガソリンスタンドでもトラック運転手でもあらへんで?
なんで危険物取扱者が必要なんや?

ほとんどのビルには、停電や災害時に備え、非常用発電機が設置されています。
この発電機を動かすための燃料として、重油や軽油が必要となるため危険物取扱者が必要なのです。
下の写真はヤンマー製の発電機の写真です。(引用元 ヤンマー)


そうなんか。でも難しいんやろ?

乙4の合格率は30~40%程度です。10人受けたら3人から4人受かる試験ということです。
合格率が低いため難しそうに感じますが、この試験は会社や学校の指示で無理矢理受けさせられたりしてる人も一定数いるため、そういった勉強をほとんどしてない人達が合格率を下げている傾向にあります。

それなら安心やな。勉強はどのくらいすればええんや?

一般的に50時間前後と言われていますね。
毎日1,2時間の勉強を1か月続けることが出来れば受かりますよ!
【受験日】月に1、2回(地域によって変動あり)
【受験資格】無し(誰でも受験可能)
【受験料】4600円
【勉強時間】50時間程度
【合格率】30~40%
【資格手当相場】1000円
【出来ること】4類危険物の取扱いが出来る
【コメント】発電機はほとんどのビルに設置してあるため、是非取得してほしい資格です。
【試験センター】一般財団法人消防試験研究センター
★危険物取扱者乙種4類について勉強方法なども知りたい方は以下の記事をご覧ください!
➁第二種電気工事士(ビルメン必須資格)
この資格は電気工事をするために必要な資格です。
電気は取扱を誤ると大事故につながるため、電気工事士法により資格保有者しか工事が出来ないよう制限を設けています。

ビルメンも電気工事するんか?感電怖いンゴ。

全く電気工事をしない現場もありますが、基本的に電気工事をすると思っておいたほうが良いです。
ただしブレーカーや照明器具の交換など簡易的なものが多く難易度の高い工事はありません。
ちなみに第二種電気工事士を持っていないと応募が出来ないビルメン求人もあるため、転職しやすくするためにも優先的に取得したい資格です。
私は第二種電気工事士を取得してからビルメンの就活を始めましたが、資格を所持していることで面接官から好印象を持たれました。
以前は年に1回しか受験チャンスが無かったのですが、現在は試験が年2回に増えているためかなり取得しやすくなっています。

なるほど。でも電気の試験やし難しそうやな。

電気の試験ということで難しそうに思う方が多いようですが、第二種電気工事士は電気の資格の中でも簡単な部類に入る資格です。
試験も過去問と同じような問題が繰り返し出題されているので、過去問を何度も解いて練習をすれば簡単に合格出来ます。
ただし、筆記試験合格後に実技試験というものがあり、こちらも練習をすれば受かるのですが、工作が苦手な人は苦戦するかもしれません。
それでも、筆記試験、実技試験ともにそれぞれ合格率が50%くらいですので、簡単な試験であると言えます!

ふーん。ちなみに勉強時間は?
わし忙しいんやけど。

筆記試験、実技試験ともにそれぞれ50時間程度(計100時間)が理想です。
筆記試験から実技試験まで2か月くらい期間がありますので、忙しい方でも勉強時間を捻出できるんじゃないかな・・?
【受験日】年2回。前期試験:筆記5月、実技7月 後期試験:筆記10月、実技12月
※令和5年度より筆記試験でCBT方式が導入されます(下記写真参照。クリックで拡大できます)
【受験資格】無し(誰でも受験可能)
【受験料】9300円
【勉強時間】100時間(筆記、実技合わせて)
【合格率】50%(筆記、実技ともに)
【出来ること】一般用電気工作物の工事
【資格手当相場】2000円
【コメント】ビルメン必須資格ですが、法律的には資格不要で工事が出来ます・・。理由はコチラの記事にあります。
【試験センター】一般財団法人電気技術者試験センター
★第二種電気工事士について勉強方法などを詳しく知りたい方は下のリンクからどうぞ。
③第三種冷凍機械責任者
冷凍機を安全に利用するために設けられた資格です。
冷凍機は化学物質を扱うため、適切な管理をしないととても危険です。
そこで知識を備えた資格保有者に、冷凍機を適正に管理させて事故やトラブルの発生を未然に防いでいます。
下はターボ冷凍機の写真です(冷凍機にはガスの圧縮方式により種類があります)
この資格は年に1回(11月)しか受験のチャンスが無いため、落ちると再挑戦出来るのが一年後になってしまいます。
欲しいなら確実に受かるために他の資格よりも真剣に取り組んだ方が良いですね。
この資格自体に受験資格は無いのですが、上位の資格である第一種冷凍機械責任者、第二種冷凍機械責任者にも受験資格は設けられていないため、勉強に自信がある人は上位の資格から受けても問題無いです。
上位の資格ほど、扱える冷凍機の規模が大きくなります。

全然意味わからんな。そもそもビルメンに必要なんか?

ビル全体で冷房を使用する際に、冷凍機で熱源(冷たい水など)を作って空調機でビル全体を冷やしたりしています。
空調機はエアコンみたいなものを想像して貰えばOKです。
ビルメンはビルの管理を任されている以上、冷凍機の取り扱いも業務に含まれます。
そこでこの資格を所持したビルメンが必要になってくるのです。
ちなみに近年は資格が不要な冷凍機が増えてきており、資格の必要性が下がりつつあります。
しかし、冷凍機の試験で勉強する知識はビルメン実務においても役立つと私は思っています。

ほーん。
まぁ取ってあげても良いけど。
ちな難しいの?

ビルメン4点セットの中では難易度が高い資格となっています。
合格率も低いときは18%なんてことあったようです。
(18%だと上位資格のビル管理士くらいの合格率です・・・)
しかし高いときは合格率50%なんてこともあるので、問題を作る側が下手クソなんだと思いますね。
合格率18%の時のようなハズレ回に当たらなければ、勉強時間は60~100時間程度で受かる試験です。
【受験日】年1回(11月頃)
【受験資格】無し(誰でも受験可能)
【受験料】9800円
【勉強時間】60~100時間
【合格率】30%(平均)
【資格手当相場】2000円
【出来ること】1日の冷凍能力が100t未満の製造施設における製造にかかわる保安
【コメント】近年は資格不要の冷凍機が多いですが、それでも知識はとても役に立ちます。
【試験センター】高圧ガス保安協会
冷凍機は講習を受けて受験科目を減らす方法もあるが・・
この資格には有料講習というものがあり、講習を受けることで本試験の際の受験科目を減らすことが出来ます。
講習の情報も含めて冷凍機械責任者について詳しく知りたい方は下の記事を見てね。
④二級ボイラー技士
この資格は、ボイラーの運転や保守に関する資格です。
問題は簡単なんですが、取得が面倒なんですよね・・。
ボイラーは、高温・高圧の熱を発生させる機械であり、危険性が高いため、適切な知識や技能を持つ人材が必要です。
そこで、ボイラーの安全性に関する法令や規制に精通した資格保有者に運転や保守管理をさせることで、ボイラーを安全に利用出来るようにしています。
ボイラーで作った蒸気や温水は、空調の熱源や給湯(お湯)などに利用されています。
ちなみに、ボイラー技士には、特級・一級・二級と3つの分類があります。
二級が一番簡単な資格となっており、上位の資格ほど扱うことが出来るボイラーが大きくなります。

ほんまに簡単ってことでいいんやな?

はい。勉強時間は50時間くらいで合格ラインに持っていけると思います。
毎月実施されていますので、受験しやすいのも特徴ですね。
ただし受験地が僻地にあるので、試験会場に行くまでが大変です。
これが面倒な理由です。
(関東なら千葉県市原市の五井駅)
冷凍機と同様に新しいビルではボイラー自体を設置していないケースが多く、あっても資格不要のボイラーだったり資格の重要性は低くなってきています。
それでもこの資格を持っていると、ビルメン転職の成功率が上がりますので持っていて損は無いです。
また、公務員ビルメンになりたい場合はボイラー技士が活きてくる可能性が高いです。
公務員ビルメンが勤務する公共施設系は、古い建物が多いためか未だにボイラーを現役で使っているようです。
そこで定期的にボイラー技士の資格保持者の求人が出たりしています。
※求められるのは1級以上のボイラー技士ですが、一級の受験資格の一つに2級ボイラー技士の資格保有者があげられています。
ボイラー技士は免状化するために実務経験が必要
ちなみにこの資格は免状化するのにボイラー運転の実務経験等が必要ですが、法定講習を受けることで実務経験を免除することが出来るようになっており、ほとんどのビルメンは講習を受けて免状化しています。
【受験日】毎月
【受験資格】無し(誰でも受験可能)
※免状化するには実務経験or講習を受ける必要がある
【受験料】6800円→8800円(令和5年6月1日以降から値上げ)
【勉強時間】50時間
【合格率】50%
【資格手当相場】2000円
【出来ること】伝熱面積の合計が25m2未満のボイラー取扱作業主任者となることができる
【コメント】近年は資格の必要性が低くなってきています。
【試験センター】公益財団法人 安全衛生技術試験協会
★二級ボイラー技士の勉強方法などについて詳しく知りたい方は下のリンクの記事を見てね。
ビルメン資格4点総括

以上がビルメン資格4点セットになります。
実際のところ就職後に使わない資格の方が多いのですが、求人の応募条件にこれらの資格を求めていたり、知識として役に立つなどメリットがそこそこあります。
また、ビルメンが資格を取得する最大の理由ともいえる資格手当の対象となっているケースもありますので、ビルメンを目指すのであれば是非4点セット全てをおさえておくことをお勧めします。
以下の記事では資格手当の相場を紹介しています。

4点セット全部持っていると毎月1万円くらい貰える会社もありますよ。
とはいえ、勉強は大変ですよね・・。
ついでに欲しいビルメン資格(消防設備士)

4点セットよりは優先度が落ちますが、消防設備士という資格もお勧めです。
消防設備士は、消防法で定められた消防設備の点検・整備・改修などをすることが出来る資格で、これらの業務は消防設備士の独占業務となっています。
ビルにはさまざまな消防設備が設置されており、ビルの設備管理を任されているビルメンにとって消防設備の知識が必要なことは当然であると言えます。

自分の勤務しているビルに設置されている消防設備の仕組みくらいは、ビルメンでも知っておく必要があります。
ただし、一般的なビルメンテナンス会社であれば法令で定められた消防設備の点検に関しては、専門の防災業者に任せていますので、ビルメンがこの資格を使って実際に点検業務にあたる可能性は低いのご注意ください。
➀消防設備士乙種6類
最初に取得するのにおススメなのは乙種6類です。
理由は簡単だからです。
消防設備士6類は、消火器の点検・整備が出来る資格となっております。
消火器は身近にある消防設備なので、イメージもしやすいと思います。
まずはこの資格を取得して、別の類の消防設備士資格に挑戦する事をお勧めします。
また6類を取得してから他の類の消防設備士を受験する場合、法令共通科目(6問)を免除することが出来ます。
このように消防設備士には科目免除制度があるため、他の類の資格を取得することで他の類の試験を受けるときに大幅に問題数を減らすことできます。
【受験日】年に数回実施
【受験資格】無し(誰でも受験可能)
【受験料】3800円
【勉強時間】40時間
【合格率】40%
【資格手当相場】1000円
【出来ること】消火器の点検・整備ができる
【コメント】資格を活かす機会は皆無ですが、ビルメンでも資格手当(平均2000円)が貰えます!!
【試験センター】一般財団法人消防試験研究センター
➁消防設備士乙種4類
次に取得したい消防設備士の資格は乙種4類です。
乙種4類は自動火災報知設備といわれるもので、受信機から感知器などの設備一式を含めた設備のことを指します。
煙感知器とかは一般の人でも見たことがあるかと思いますが、受信機は防災センターに設置されているため一般の人が見る機会が少なくイメージもしにくいと思います。
下の図(出展wikipedia)ですと、ビルメンが勤務する防災センター内に受信機が設置されており、感知器や発信機、音響装置などはビル内の各部屋や通路に設置されています。
例えば火災が発生して感知器が火災の煙を検知したら、受信機に信号が飛び防災センター内で警報が鳴ります。
その後、受信機を通じてビル内に設置されている音響装置を鳴動させてビルの来館者に火災の発生をアナウンスすることが出来るシステムとなっています。

受信機は各機器を連携させるための脳みたいな役割をしています。
これらの機能は音響装置の鳴動まで全て自動で行われるため、誤報(たばこの煙を検知した)だった場合はビルの来館者に迷惑をかけてしまうことになります。

煙感知器が設置してある場所で喫煙をするバカがいたりするので誤報は結構あります。
誤報だと判明した時点で、非常放送を使い誤報であった旨をアナウンスします。
話が長くなってしまいましたが、ほぼ全てのビルに自動火災報知設備は設置されていると言っても過言ではないので、ビルメンでも是非知っておいてほしい知識です。
永くビルメンをやるつもりの方は是非資格取得を頑張りましょう。
【受験日】年に数回実施
【受験資格】無し(誰でも受験可能)
【受験料】3800円
【勉強時間】60時間
【合格率】30%
【資格手当相場】1000円
【出来ること】自火報機器の点検・整備ができる
【コメント】乙種6類と比べると難易度が高くなりますが、ビルメンにとって必須の知識と言えます。
【試験センター】一般財団法人消防試験研究センター
消防設備士総括
資格を活かして働くかどうかは置いておいて、消防設備自体はビルメンに関わりの深い設備ですので、この知識は絶対に必要だと思います。
今回は出てきませんでしたが、スプリンクラーや消火栓、避難梯子等も消防設備ですので興味がある方は他の類の資格も取得してみると良いですよ。

おい、消防設備士も取らないとあかんのか?

消防設備士を取得するかどうかは、得られるメリットを考えて決めれば良いと思います。
この資格を取るのは、おそらくビルメン会社入社後になると思いますので、自分が入社した会社が消防設備士に資格手当を支給してくれるなら取って損はないと思いますよ。
★消防設備士についてもっと詳しく知りたい方は下のリンクの記事を見てね。
ビルメンではないですが、お笑い芸人のザブングル加藤さんが消防設備士の仕事をされているインタビューの動画があったのでリンクを貼っておきます。※動画の中では消防設備士資格のメリットを語っていますよ。
※加藤さんは現在消防設備士とお笑い芸人を両立されています。
ビルメン上位資格
ここで紹介する資格は4点セットの上位資格です。
ビルメン会社に就職するだけなら、4点セットが揃っているだけで十分に内定が出ます。
しかし、資格手当が少しでも多く欲しい方や次の章で紹介する3種の神器に挑戦する前の腕試しをしたい方などにお勧めできるのが、ここで紹介するビルメン上位資格になります。
ただし試験を受けることは出来ても免状化するには実務経験が必要だったりと、ちょっと面倒ですけどね。
そのため、先ほどもご説明しましたが4点セットが揃った時点で一旦ビルメン会社に就職してしまい、実務経験を積みながらこれらの上位資格に挑戦することをお勧めします!
第一種電気工事士
まずは第二種電気工事士の上位資格である、第一種電気工事士です。
第二種電気工事士では、戸建ての家やアパートなどの一般用電気工作物の電気工事士しか出来ないのですが、第一種電気工事士を所持しているとビルなどの自家用電気工作物(最大電力500kw未満まで)の工事ができるようになります。

仕事が出来る範囲が広がるんやね。
しかもこれがないとビルの電気工事が出来ないんか。
持ってないとアカンやん。

確かに第二種電気工事士だと、ビル内の電気工事は出来ないのですが、法律的な観点だけで見れば第一種電気工事士もほとんど場合ビルメンには不要なんです。
詳しくは以下の記事にまとめていますので気になる方は見てください。
第一種電気工事士の必要性を教えます
不要とは言っても、資格手当は貰えますし知識は増えるので取得することは賛成です。
【受験日】年1回。筆記10月、実技12月
※令和5年度より筆記試験でCBT方式が導入されます
【受験資格】無し(誰でも受験可能)
※免状化するのに実務経験が3年必要
【受験料】10900円
【勉強時間】120時間(電工二種取得者が勉強した場合の筆記、実技合わせた勉強時間。)
【合格率】筆記試験:50% 実技試験60%
【資格手当相場】3500円
【出来ること】自家用電気工作物(最大電力500kw未満)の電気工事ができる
【コメント】電工二種を既に持っている人が受験するためか合格率が高いです。免状化するのに実務経験が必要ですが、ビルメン会社によっては試験に合格しただけでも資格手当をもらえる会社もあるようです。
【試験センター】一般財団法人電気技術者試験センター

この合格率ならワシにも取れそうやな!!
一級・特級ボイラー技士
次は二級ボイラー技士の上位資格である、一級・特級ボイラー技士です。
実は二級ボイラー技士は2回も進化を残していました。
ちなみに級が上がるごとに、扱えるボイラーの規模が大きくなります。
ボイラーを極めたければ、最上の特級を目指したいところですね!
【受験日】年5回程度
【受験資格】二級ボイラー技士免許所持者のほか、学校で指定の学科を修めた者など
※ビルメンの場合、二級ボイラー技士を受験資格にする人がほとんど
【受験料】6800円→8800円(令和5年6月1日以降から値上げ)
【勉強時間】100時間
【合格率】55%
【資格手当相場】3000円
【出来ること】伝熱面積の合計が500m2未満(貫流ボイラーのみを取り扱う場合において、その伝熱面積の合計が五百平方メートル以上のときを含む。)のボイラー取扱作業主任者となることができる。
【コメント】二級ボイラー技士の上の資格です。免状化するには二級と同様に実務経験が必要です。
【試験センター】公益財団法人 安全衛生技術試験協会
【受験日】年1回(10月)
【受験資格】一級ボイラー技士免許所持者のほか、学校で指定の学科を修めた者など
【受験料】6800円→8800円(令和5年6月1日以降から値上げ)
【勉強時間】150時間
【合格率】25%
【資格手当相場】5000円
【出来ること】全ての規模のボイラー取扱作業主任者となることができる。
【コメント】全てのボイラーが扱えるようになる資格です。ここまでくると合格率も低いですね。特級も免状化するのに実務経験が必要です。
【試験センター】公益財団法人 安全衛生技術試験協会

実務経験が面倒そうやね

そもそもボイラーを設置しているビルが少ないので実務経験を積むのは大変です。もしボイラーがあるビルに配属されたらラッキーかも。
ボイラーの管理は大変なので、ビルメン的にはボイラーが設置してあるビルは嫌われていますね・・。
第二種・第一種冷凍機械責任者
上位資格最後は、第三種冷凍機械責任者の上位資格である、第二種・第一種冷凍機械責任者です。

冷凍機もボイラーと同じで2回進化出来るんやね笑

冷凍機試験は、受験資格が無いのでいきなり上位を受けるほうが効率が良いです。
私は三種を取らずに二種から取得しましたので、余裕がある方は上位の資格から行きましょう!
ビルメン最上位資格(ビルメン三種の神器)

さて、ここからは難易度の高いビルメン資格のご紹介です。
該当する資格は、建築物環境衛生管理技術者、第三種電気主任技術者、エネルギー管理士の3つです。

3つの資格が該当するため、ビルメン三種の神器なんていうバチクソかっこいい名前で呼ばれたりしています。
ちなみに日本神話の三種の神器は八咫鏡・天叢雲剣(草薙剣)・八尺瓊勾玉の3つです。
勉強時間はどの資格も200時間以上必要になりますので、勉強開始するだけでも覚悟が必要です。
先ほどまでの試験であればストレートで合格出来る人も多くいますが、このレベルの資格からは2,3回目で何とか受かることが出来たって人もいますし、最終的に受からなくて諦めてしまう人います。

たまにビルメンに転職する前に3種の神器を取ろうとする方がいますが、最初にご紹介した4点セットがあればビルメンになることは十分に可能ですので勘違いしないように!
➀ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)
まずご紹介したいのがビル管理士です。
正式名称は建築物環境衛生管理技術者ですが、名前が長いためビル管理士と略されて呼ばれています。
この資格さえあればビルメン業界で食いっぱぐれることは無くなります。
ビルメンが勤務することになるビルは、大部分はビル管理法で定められている特定建築物というものに該当します。
この特定建築物では、ビル管理法に基づきビル管理士の資格保有者を選任し、環境衛生上の監督をすることを義務付けています。
具体的には、空気環境測定や飲料水の水質検査、空調設備、貯水槽・排水槽・清掃・ゴミ処理、害虫害獣の防除等の実施内容を管理することが挙げられます。

無理や。何を言ってるかわからん。

実務を経験しないとイメージしにくいですが、ようはビルの来館者が気持ちよくビルを利用出来るように環境衛生を維持することを義務付ける法律がありまして、その法律の基準に適合するように点検結果を管理していくことを、選任されたビル管理士に求めているんです。
当然ですが点検の結果が悪ければ、選任されたビル管理士は是正するように努力しなければいけません。
法律によって選任が義務付けられた資格ですので、とても強い効力があります。
なので、是非取得してください・・・と言いたいところですが、この資格を受験するにはビルメンとしての実務経験が2年必要です。
そのため、就職後に落ち着いてから勉強を開始すると良いですよ!
【受験日】年に1回実施(10月)
【受験資格】ビルメンの実務経験が2年必要(他の条件もあります)
【受験料】13900円
【勉強時間】200時間
【合格率】17%
【資格手当相場】7000円
【コメント】重要な資格ですが実務経験が必要なのですぐには受けられません。
【試験センター】公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター
200時間の勉強は大変と感じる方には、講習取得をお勧めします。
講習で取得する場合、実務経験が5年必要ですが3週間の講習後に簡単な効果測定を受けるだけでビル管理士がゲットできます!
【受験日】年に数回実施
【受験資格】ビルメンの実務経験が5年必要(他の条件もあります)
【受験料】108000円
【講習期間】3週間程度(連日)
【合格率】90%以上(ほぼ受かります)
【資格手当相場】7000円
【コメント】連続して3週間近く実施されるため、働きながら受講する場合は会社の理解が必要です。
【試験センター】公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター
ビル管理士の詳しい情報が知りたい方は下記の記事を見てね。
➁電験三種(第三種電気主任技術者)
こちらもビル管理士と同様にビルメン業界において強力な効果がある資格です。
ビルメンが勤務することになるビルは、自家用電気工作物というものに該当し、自家用電気工作物には電気主任技術者を選任することが電気事業法で義務付けられています。
ビル管理士と同様に法律で選任が義務付けられているため、常に一定の需要があるということです。
ただし配属されるビルによっては、電気主任技術者を外部委託(〇〇電気保安協会など)している場合もあるため、必ずしもビルメンが選任されるわけではないのでご注意ください。
電験三種の試験は全部で4科目あり、理論、機械、電力、法規と分けられています。
理論が一番難しく、法規が簡単とされていますが、回によって難易度にバラツキがあるためどの科目も難しいと言えます。
必要な勉強時間は理系の素養が無い人で1000時間くらいですが、科目合格制度があるため1回目の試験で理論、機械合格、2回目の試験で電力、法規合格みたいな感じで分割して受験している方が多いです。※科目合格は3年間有効

法律で守られてる資格は強いんやね。
電験三種も資格は難しいんやろ?

はい、難しいです。
しかし令和4年度の試験から易化傾向にあります。
例年10%くらいの合格率であったのが、令和5年度下期は15%近い合格率まで上がっております。
今後も易化が続くと断言はできませんが、以前よりは取得しやすくなると予想されます。
関連記事:電験三種が簡単になってる?
関連記事:【最新】電験三種合格率を検証
【受験日】年2回実施
【受験資格】無し(誰でも受験可能)
【受験料】7700円
【勉強時間】1000時間(今後は減る可能性があります)
【合格率】例年10%(直近15%)
【資格手当相場】8000円
【コメント】重要な資格ですが実務経験が必要なのですぐには受けられません。
【試験センター】一般財団法人 電気技術者試験センター
電験三種は難易度の高い資格ですが、持っていればそれだけ努力した証になりますので転職活動においても有利に働きます。
ビルメンを永く続けていくのであれば是非取得することをお勧めします。
電験三種の記事をいくつか書いてますので良かったら見てください。
★令和4年度電験三種の合格率を検証/おさえておきたいCBT方式試験の知識
★電験三種一発合格体験記/私が電験三種を取得したときの勉強方法などを紹介
★電験三種取得後の面接突破率/電験三種はビルメン転職で効果絶大です
③エネルギー管理士
規定量以上のエネルギーを使用する工場において、省エネのためにエネルギー管理士の免状を所持している者を選任するよう義務付けています。
主に工場勤務で必要となる資格なので、ビルメンが勤務するビルではほぼ不要な資格ですが、ビルメン会社では資格手当が支給されたり、昇進に影響したりと評価してもらえます。

ビルでも省エネという考えは必要ですからね。
この資格は、電気分野・熱分野を選んで受験することが可能で、熱の方が簡単と言われています。
また電気、熱どちらで受験しても資格の効果は同じ扱いのため、簡単な熱分野で取得する方が多いようです。
ビルメンであればほぼ使用する機会がないため、個人的に必要性が低いと感じておりますが資格手当などを目的に取得するのは全然良いと思います。
【受験日】年1回実施
【受験資格】無し(合格後、免状化するのに実務経験が1年以上必要。詳細はコチラ)
【受験料】17000円
【勉強時間】(熱分野)300時間
【合格率】30%
【資格手当相場】7000円
【コメント】結局私は取得しませんでした・・。
【試験センター】一般財団法人 省エネルギーセンター
【受験日】年1回実施
【受験資格】無し(合格後、免状化するのに実務経験が1年以上必要。詳細はコチラ)
【受験料】70,000円
【講習期間】6日間の講義と1日間の修了試験の合計7日間
【合格率】60%以上(7万円も払ってるのに低い合格率)
【資格手当相場】7000円
【コメント】高い講習料の割に、最後に受ける修了試験の難易度がそれなりに高いです。
【試験センター】公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター
講習で取れるビルメン資格
ここでは勉強しなくても取得可能な資格をご紹介します!

試験受けなくても取れる資格があるんか?

指定の有料講習を受けることで取得可能な資格もあります。
講習の最後に確認テストみたいなのはありますが、ほぼノー勉で取得可能ですよ!
- 認定電気工事従事者
- 消防設備点検資格者
- 防火管理者
- 防火管理技能者
- 防災センター要員
- 自衛消防技術者
- 酸素欠乏危険作業主任者
- 建築物環境衛生管理技術者
- エネルギー管理講習
- 防火対象物点検資格者
以下の記事で各資格の取得方法や用途などを解説しています!なんと資格手当が貰える資格もありますよ!
その他のビルメン資格に関する記事
私が執筆したビルメン資格に関する記事です。
ビルメン資格勉強のコツ

学生時代に勉強が苦手だったからと言って、資格の取得を諦めてはいけません。
学校の勉強と資格の勉強は全然違います。
資格の試験勉強のコツをまとめた記事を書きましたので、これから資格の勉強を始める方や、なかなか試験に合格出来ないという方は下のリンクの記事を読んで実践してみてください。
記事内には動画もあるので、読むのが面倒な方は動画を視聴してください。
重要なのは過去問を繰り返し解くことです!